春節とは何か。これについては人それぞれの理解がある。それは冬の街頭に尽きることなく連なる赤い提灯、各家庭の扉の上に貼られる縁起のいい対聯、同じ食卓を囲む一家団欒のひとときかもしれない。しかしいずれにせよ、確かな「年味」(春節の雰囲気)が伴う。
年味は賑やかな家庭の匂いであり、伝承され続けている文化の味でもある。中国に来たばかりの外国人にとって、新春の佳節にすぐに溶け込むことは容易ではない。舞獅、舞龍灯、ヤンコ踊りなどをそれらしく真似できても、祖先を祭り、廟に行き、寝ずに年越しをするという習慣はやや把握し難い。春節は祈年・お祝い・娯楽を集めていると言える。中華伝統文化の薫陶がなければ、旧暦の年越しに向け日一日と盛り上がる感覚は理解しがたい。幸い文化の力に国境はなく、春節を楽しむ外国人が増えている。
どれほど遠くても、年に一度の一家団欒に駆けつける。普段はどれほど忙しくても、春節に時間を作り親戚や友人を訪問する。人に会えば新年の挨拶をし、幸せを祈る。天地を敬い万物を大切にし、生活に感謝し、前の年に別れを告げて新しい年を迎える。年越しには時間に関する儀式の感覚が伴い、文化から切り離すことのできない精神の宿りでもある。幸福、富、長寿、平安、幸運、繁栄ーー喜ばしく縁起のいい言葉を口にし、賑やかな民俗画に目を向ける。これらは日常生活の感情・期待・活気を示しており、濃縮・洗練された奥深い中華文化を描き出している。
今も昔もこれからも、年越しの熱意が衰えることはなく、年越しの文化が存在する。年越しの味わいはいつまでも続くばかりだ。生活が豊かになると、腹を満たすための食事ではもはや盛り上がることができないが、充実した年越し料理を提供するレストランは予約できない場合が多い。壁に逆さに貼られた福の字を使った「集五福」イベント、モバイル決済によるお年玉の運試し、そして年越し番組とお正月映画。春節を喜び笑う声には、人と人の感情、幸福の祈り、美しい願いが満ちている。生活、環境、観念に変化が生じているが、祝日の儀式的な感覚、心の中の真心、血管の中を流れる文化の遺伝子に変化はない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年1月25日