ボランティアが「代理購入者」に 武漢市内を探し回る

ボランティアが「代理購入者」に 武漢市内を探し回る。

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発信時間:2020-03-14 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

   感染症が流行し、店が営業を停止し、各地から支援に来た医療チームは生活用品などの物資を購入する場所がない。医療チームの物資ニーズを受け、武漢市のボランティアは「代理購入」を行い、市内から商品を探して市民に貢献している。

 

 「8S2A58003、8S2A04035、ここにありました」。武漢市の洋服店の倉庫で、余文航さんは防護服とマスクを着用し、商品棚のリストを見ながら商品番号を探した。

 

 余文航さんは中国鉄道南昌局集団公司の列車運転士をしている。1月に帰省して春節を過ごした彼は、感染症流行を理由に武漢に残った。仕事に行けない彼は自ら志願し、交際相手の沐沐さんとボランティア活動を始めた。

 

倉庫には鎖 経営者「こじ開けていい」

 

 2月18日、広東共産党青年団省委員会の助けを求める電話がめぐる巡って沐沐さんにかかって来た。「武漢市で雪が数日続き非常に寒く、広東の医療チームは服を十分に用意してこなかったため、急ぎで必要」という内容だった。沐沐さんからそのことを聞いた余文航さんは、全国各地から武漢支援に来た医療チームの隊員に十分な生活物資がないことに気がついた。

 

 「彼らの代わりに買いに行く」。彼はすぐに証明書を用意し、2月19日早朝に車で出発した。しかし、「代理購入」の道は順調ではなく、市内の全ての店が閉まっていたため、どこで買うかが問題だった。

 

 衣類は最も必要な物資であり、余文航さんは数人のボランティアと共に市内の洋服店を周り、綿の下着を提供できる業者をようやく見つけることができた。しかし、従業員は戻っていないため、自分で倉庫に探しに行かなければいけなかった。倉庫は厳重な鍵がかかっており、経営者は「こじ開けていい」と言った。

 

 倉庫には商品棚がびっしり並び、箱が積み重ねてあり、全て洋服が入っていた。電灯のスイッチがどこにあるかわからず、余文航さんたちは携帯電話の照明をつけた。「170のがあと25着足りない」「これはポリエステル繊維だからだめ、綿でなければ」。100着以上の下着を揃えるのは、余文航さんにとって大変なことだった。限られた空間でつま先で立ち腰を曲げ、作業し続けた。

 

 必要な衣類が揃ったのは夜8時だった。余文航さんは洋服を医療チームの宿泊先に届け、11時過ぎにようやく帰宅した。彼はその日、朝食を食べただけだった。「これはよくあること。外でマスクを着けているため、物を食べるのは不便。しかも商品を探し始めると空腹を忘れてしまう」と余文航さんは話した。

 

「代理購入」のニーズは様々、市民も協力的

 

 余文航さんが「代理購入」を始めてから、注文は増えていった。最も多いときは一度に300着以上の綿の下着の注文を受け、揃えるまで14時間かかった。

 

 洋服以外に、医療チームはそのほかの物の「代理購入」も頼む。「光谷コンベンションセンターのコンテナ医院で大量の洗顔料、ボディソープ、シャンプー、くし、鏡などの生活用品が必要だが、調達してもらえないか」。3月3日9時30分、余文航さんは広東医療チームからWeChatのグループで注文を受け、チームで出発した。 

 

 余文航さんによると、現在は広東だけでなく、海南、山西、中日友好医院の医療チームからも依頼がある。各地の医療チームからの注文は様々で、大きいものだと洗濯機やファンヒーター、小さいものだと保存食やテープなどがある。毎日マスクを着用しているため顔に痛みがあり皮が剥けたと聞き沐沐さんはフェイスマスクを大量に買い、母親にあげる予定だった分も持って行った。家に買い貯めていたものも医療チームに提供した。

 

 医療チームが必要とするものを全て、余文航さんは何とかして調達している。コンテナ医院に患者回復のための大量の縄跳びとヨガマットが必要だと知り、SNSとWeChatのグループメールに書き込んだ。

 

 武漢支援の医療チームのことを聞き、みんなが積極的になり、物を提供している。「近所の人が2本の縄跳びを玄関に置き、写真を撮って教えてくれた。彼の名前も知らないのだが」と話す余文航さんは、代理購入を始めてからよく玄関でサプライズを受けている。

 

「武漢にはこのような元気が必要」

 

 心温まる出来事は続いている。2月27日、余文航さんは医療チームに物資を用意したが、届ける途中で車のタイヤがパンクし、届けてから修理に行けば修理所は閉まってしまう。

 

 「医療チームが待っているため、配達を遅らせるわけにはいかない。翌日も朝から商品を準備するため、その日のうちにパンクを直さなければいけない」。余文航さんは修理所に電話をかけ、状況を理解し「遅くなっても待っている」と言ってくれた。

 

 修理所に着いたのは夜10時過ぎだった。修理し終えると、彼らは費用を受け取らず、余文航さんは「私たちの気持ちは同じで、勝利のためにどんな困難も受け入れられる」と感じた。

 

 余文航さんは、「1人で戦っているわけではないため、物が集まらないことは恐れていない。最も嫌なのは、医療チームに感謝されること。彼らは命の危険を冒して私たちを守ってくれている。感謝するのは私たちの方」だと話した。

 

 「代理購入」をする間、余文航さんは用意した防護服5着のうち3着を消耗した。物資が不足しているため、1着1着が貴重であり、使い捨ての防護服も何度か来てから捨てるという。見分けやすくするため、余文航さんは医療スタッフに学び防護服に名前を書き、「中国頑張れ」「必ずよくなる」などの自分の言葉も書いている。余文航さんは、人々がこのような元気を必要としていると思っている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月14日

 

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