世界保健機関(WHO)は7日、世界の看護師不足は590万人に達するとし、各国に看護師の育成と募集を強化するよう呼びかけた。また、民衆が考えを改め、看護師という職業をより尊重・重視することを望むとした。
WHOや国際看護師協会などの機関が共同でまとめた報告によると、世界の看護師の数は2800万人ほどで、590万人不足し、アフリカ、東南アジア、南米の一部地区と中東地区で最も不足している。
看護師は世界の医療従事者の半数以上を占める。国際看護師協会のハワード・カットン事務局長はオンライン報告会で、看護師不足が比較的深刻な地域では、疾病感染率、死亡率、医療過誤率が高い傾向にあると述べた。
WHOのテドロス事務局長は、「看護師はどの医療体系においても柱である。特に、新型コロナウイルス感染症の流行期間、多くの看護師が防疫の第一線で奮闘している」と述べた。
WHOは各国に看護師の育成と募集を強化し、需給の差の縮小に努めるよう呼びかけたと同時に、人々が考えを改め、性別による制限を突破し、男性が看護師という職業を選ぶことを奨励したいとした。
報告の作成に参加したマリー・ワトキンス氏は、「先進国では看護師を志願する人が深刻に不足している。これらの国は主に移民の看護師に頼り、インドやフィリピンなどの発展途上国の看護師不足に拍車をかけている」と述べた。ワトキンス氏の推計では、世界の看護師の80%が世界人口の50%に奉仕している。
4月7日は世界保健デーにあたる。今年は世界が新型コロナウイルス感染症と戦う時期にあり、WHOは全ての医療従事者、特に第一線で戦う医療従事者に敬意を表した。
テドロス氏は6日の定例記者会見で、「感染症流行期間であっても平時であっても、医療従事者の役割は非常に重要であり、彼らは人々にとって最も重要な健康を終始守っている。そのため、世界保健デーでなくても、普段から医療従事者に敬意を持つべき」だと述べた。
また、「世界は医療従事者の重要な作用と彼らの(防疫家庭で担う)中心的役割を目の当たりにした。彼らの仕事は我々から最も祝福を受けるべきである。彼らは自分の命を犠牲にして他人の命を救っている。我々はこのことに感謝と敬意を表し、彼らは感染症の抑制に全力を尽くすと完全に信じている」と話した。
報告は、看護師という職業をより尊重し理解するよう呼びかけた。カートン氏は、「各国の新型コロナウイルスとの戦いにおいて、医療従事者を罵る、殴るなどの事件が度々発生している。このような行為を受け入れることができず、非難すべき」だと話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年4月8日