『ワシントン・ポスト』は12日、ホワイトハウスはここ数週間、トランプ氏の視察などの公式行事を頻繁に予定し、大統領の新型コロナウイルス感染症への対応における「指導力」を示そうとしていると伝えた。最近決定した視察地はブラジル化学工業大手のペンシルベニア工場で、同工場はマスクなどの防疫用品を大幅に増産している。
匿名の消息筋によると、大統領の視察計画を知り、工場は「最初は感動したが、すぐに困惑した」と示した。製品の安全性を維持するため、数十人の従業員が1カ月近く工場を離れずに作業しており、トランプ氏との面会または視察への同行でこれまでの隔離措置が台無しになる可能性があるという。
ホワイトハウスは、数人の幹部のみの同行で構わないと提案した。工場側は、トランプ氏が工場を視察するのであれば、特殊作業に従事する従業員などが同行することになり、ソーシャルディスタンスを保つことは難しいとコメントした。ホワイトハウスは、工場付近の屋外駐車場のみにすると譲歩したが、拒否された。工場側は感染症終息後に視察を延期することを望み、現在のような状況での大統領の工場視察は「あまりにも危険」だと考えている。
ブラジル化学企業米国支社のマーク・ニコリッチCEOは声明の中で、「ホワイトハウスに我々の強靱な生産チームを認められたことは光栄に感じている。しかし、双方は何度も話し合い、化工生産の特徴および我々チームのメンバー、訪問客の安全を考慮し、視察計画を実行しない方向で同意した」とした。
米国のある官僚は、ホワイトハウスはトランプ氏のペンシルベニアにある同工場視察を計画していたが、企業の「安全第一」という原則に賛同したと明かした。ホワイトハウスは今後も視察先を探し、安全を最優先するという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年5月14日