江蘇省淮安市金湖県の芍薬園で農業管理を行うスタッフ(写真=新華社提供)
貴州省黔南布依(プイ)族苗(ミャオ)族自治州茘波県架橋村の貧困世帯に属する柏応権さんは、水筒と簡単な食事を携えて1日の森林パトロールの仕事へ向かった。「森林保護員に選ばれたことで、家のすぐ近くで働くことができ、年収も1万元を超えて、貧しい暮らしから抜け出せます」と柏さんは語った。
習近平総書記は陝西省を視察した際、「人々が自然を守れば、自然も必ず人々を守ってくれる。美しい山河は自然の財産であり、経済的な富でもある。みなさんに生態優先、グリーン発展の道を歩むことを堅持してほしい」と強調した。
広範な貧困地域が現地の状況に合ったやり方で生態建設と貧困脱却を同時に進めており、この5年間、生態保護による貧困支援は顕著な成果を上げてきた。中西部の22省・自治区・直轄市における林業総生産高は4兆2600億元に達し、生態保護による貧困支援で300万人が貧困から脱却した。貧困地域の林地・草地の植生面積は引き続き増加し、森林率の平均増加率は4ポイントを超えた。
中国国家林草局の張建竜局長は「中国の森林・草原エリア、生態が脆弱なエリア、深刻な貧困地域はかなりの程度重なり合っている。これらは生態建設の重点地域であり、生態保護による貧困支援が行われる主要地域でもある」と述べた。
中国各地では革新的な措置が複合的に講じられ、生態保護と増収のためのターゲットをしぼった貧困脱却が進められてきた。
2016年以来、中西部の22省・自治区・直轄市は耕地の林地・草地への復元や天然林保護など重大な生態プロジェクトを実施し、中国政府は貧困地域の林地・草地のために1500億元以上を投じた。そして、新たに行う耕地の林地・草地への復元プロジェクトをすべて貧困地域に割り当てることで、重点地域の貧困世帯は一世帯平均9000元の財産的収入を得た。また、2016年以降、中国政府は累計140億元を投じ、貧困人口として登録されている約100万人を生態森林保護員とした。このことは末端レベルで生態保護に携わる人数を増やしただけでなく、貧困層に収入を増やす方法をもたらした。
そのほか、数多くの貧困地域は現地の状況に合った生態面での優位性を見つけ出し、的確な産業を選び、この5年間で、油茶の栽培面積は5500万ムー(1ムーは約6.67アール)にまで拡大された。広西壮(チワン)族自治区河池市環江毛南(マオナン)族自治県下塘村の譚維作さんは「山には林があり、林の下には草があり、その草の中で鶏を飼っています。一つの林からお金を稼ぐ方法がいくつもあるおかげで、毎年の収入は2万元を超えました!」と語った。環江マオナン族自治県は貧困層が林地・草地産業に参画するよう促し、環境を守ると同時に彼らの収入も増やし、貧困発生率は2015年の19.56%から1.48%にまで下がった。