世界の数百の科学研究チームが異なる技術ロードマップに基づき、新型コロナウイルスワクチンの研究開発の推進を加速しており、年内に効果的なワクチン候補が出る見通しだ。ところがワクチンによる抗体レベルをどれほど維持できるか、ウイルスに変異が生じたらどのように対応すべきか、ワクチンの生産が追いつくかといった疑問が残されている。そのためワクチンの研究開発の将来性について理性的に見据えるべきだ。新華社が伝えた。
ワクチンの研究は非常に複雑で、研究開発が順調に進んでいたワクチンであっても販売に漕ぎ着けなかったものが多い。コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)についても、現在も発売が認められているワクチンはない。研究の推進に伴い、現在の一部のワクチン候補はさまざまな問題により頓挫する可能性がある。
WHOの緊急事態対応統括者のマイケル・ライアン氏は、「現在の一部のワクチン候補の初歩的な試験データは希望をもたらしたが、どのワクチンが臨床上で完全に有効かについては依然として予測できない」と述べた。インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニエル・アルトマン教授(免疫学)は「重要なのは細部にある。ワクチンを見つけるのはそれほど簡単ではない。この過程において多くの問題でミスが生じうる」と述べた。
WHOのテドロス事務局長も、新型コロナウイルスワクチンの研究開発の将来性については、慎重に楽観の態度を保つべきだと判断した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月22日