世界保健機関(WHO)のクルーゲ欧州地域事務局長は4日、コペンハーゲンで開かれたオンライン記者会見で「過去1週間に東欧諸国で新型コロナウイルスの感染率が再び上昇傾向を示した。一部の西欧諸国でも毎日の新規感染者が増え始めている。この状況下、WHOは地域内でいわゆるコロナ通行証の導入を推奨しない」と述べた。
スペインを含むEUの6カ国が今月1日、共同声明に署名した。EUに不要不急の旅行の再開の基準を統一化し、観光業の再開を促すよう求めた(新型コロナウイルス免疫の証明書を観光通行証とするなど)。
クルーゲ氏は新華社からの関連する質問について、「類似する方法により規制を早期解除し観光を再開することが望まれているが、WHOは観光及び貿易について国際保健規則を遵守することを推奨し、いわゆるコロナ通行証の導入を推奨しない。各国は科学的な見地から、新型コロナウイルスワクチン接種後の有効免疫期間や、免疫を持つ人の間で感染するかといった関連する一連の問題を総合的に考慮するべきだ。コロナ通行証は(防疫の見地から)一分の隙もないわけではない」と回答した。
しかしクルーゲ氏は「またWHOはワクチン接種後のデジタル化認証が重要であり、ワクチン接種の不平等の解消に資する可能性があると判断している」と指摘した。
クルーゲ氏はさらに「地域各国は新たな感染拡大に警戒し、コミュニティを動員し、検査及び各種予防措置を拡大し、根拠に基づき規制を緩和しワクチン接種を急ぐべきだ」と警鐘を鳴らした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月5日