「インターネット+」の急速な発展に伴い、デジタル読書はすでに人々が知識と情報を入手する重要手段になっている。中国音像・デジタル出版協会がこのほど発表した「2020年度中国デジタル読書報告書」によると、昨年の中国のデジタル読書産業規模は351億6000万元、デジタル読書ユーザー数は延べ4億9400万人、1人平均電子書籍読書量は9.1冊、1人平均オーディオブック読書量は6.3冊だった。
中国人民大学新聞学院新聞・社会発展研究センターの翁昌寿研究員は、「デジタル読書が全民時代を迎えたと言える。これは全体的な社会読書シーンの再構築だ。供給側から見ると、インターネットの力強い発展により、電子書籍やネットライフコンテンツなどの供給が主流になっている。また、容易に資本と技術を取得しやすいため、需要側のデジタルコンテンツへの需要拡大を促している。また防疫期間中、人々は自宅での活動に慣れたが、これはデジタル読書の潜在力を引き出した」と述べた。
マルチシーンの没入型読書を模索
記者の調べによると、山西博物院による「山西博物院収蔵の十二支」絵本は、院内収蔵の十二支関連の12点の文化財を紹介する。AR技術の導入により、携帯電話もしくはタブレットPCで絵本のARポイントをスキャンすると、本の動かない文化財や動物が命を得る。背景となる歴史、物語、文化が活き活きとディスプレイに表示される。ページ数や幅に限りのある絵本を電子製品とすることで、より直観的に表現し、より豊富な中身を持たせることができる。多くの子どもがこれを体験している。
読書方法の更新だけでなく、デジタル読書のシーンもより多元化している。
情報によると、中国ではすでに多くの図書館と博物館がハイテクを活用し、「クラウド」参観プラットフォームを構築している。以前は想像できなかった読書シーンが今や現実になっている。翁氏は「5G、AR、VRといった専門用語は私たちの生活からかけ離れているように聞こえるが、伝播技術に反映されることで読者に新しい体験、確かな利便性をもたらす」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年5月19日