新型コロナウイルス感染による肺炎が世界範囲でまん延して以来、中国では科学研究者による新型コロナウイルスの抵抗薬の研究開発が行われてきました。現在、いくつかの薬物が臨床試験の段階に入っています。
薬物VV116は中国科学院上海薬物研究所、中国科学院武漢ウイルス研究所、中国科学院新疆理化技術研究所など、中国国内の多くの科学研究機関が共同開発したヌクレオシド類の経口投与が可能な新型コロナウイルス抵抗薬の候補の1つです。VV116は、人類の体外においても、新型コロナウイルスの原始的なウイルス株や変異株、例えばデルタウイルスなどに対して、顕著な阻害活性作用があります。
もう1つの新型コロナウイルス抵抗薬候補―FB2001は、中国科学院上海薬物研究所、上海科技大学、中国科学院武漢ウイルス研究所などが共同開発したものです。中国科学院上海薬物研究所の柳紅研究員によりますと、FB2001は非常に優れた酵素の阻害活性があり、同時に新型コロナウイルスに対する優れた抗ウイルス効果があるということです。2021年3月には、アメリカでFB2001の第一期の臨床研究が行われました。その時の関連研究は表紙記事として米学術誌『サイエンス(Science)』に掲載されました。
このほか、中国独自の知的財産権を有する新薬「プクルミン(プロキサルトアミド)」に対しては、2020年9月からブラジルで3つの臨床試験が相次いで開始されました。その結果、男女軽症・中等症の非入院患者に対する入院保護率は92%で、重症患者の死亡リスクを78%低減したということです。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月21日