国務院共同感染対策メカニズム科学研究難関攻略チームワクチン研究開発特別班作業チーム長、国家衛生健康委員会医薬衛生科技発展研究センター長の鄭忠偉氏は、「中国では25種の新型コロナウイルスワクチンが臨床試験に進んでいる。うち4種が国家薬品監督管理局から条件付きで認可されており、3種がこのほど中国で緊急使用の認可を受け、14種が域外で3期臨床試験を展開しており、全体的に順調に進んでいる」と述べた。
人々が関心を寄せる、接種済みの人が新型コロナウイルスに感染する確率について、鄭氏は次のように説明した。今年8月前後の江蘇省などでの感染を例とすると、8月25日までに報告された計1388人の感染者がいずれもデルタ株感染だった。初歩的な分析によると、2回の接種後から14日以上経過している感染者のうち重症化は5人のみで、すべての重症者の約5%のみだった。60歳以上の重症者のうち97%は未接種か2回の接種を完了しなかったで、重篤患者はいずれも未接種だった。広東省で今年5月までに報告された190人の現地感染者は主にデルタ株感染だった。鐘南山院士が中心となり行った、広東省の感染におけるワクチンの保護効果に関する研究によると、国薬中生と科興中維の2種の不活化ワクチンの新型コロナウイルスの中等症予防効果は70.2%で、重症予防効果は100%だった。
鄭氏は、「同時に我々が広東省、江蘇省、福建省、内蒙古自治区などの重症者を対象に行った初歩的な分析によると、重症化したとしても接種済みの人の多数が短期間内に中等症に変わった。注意すべきは、広東省と江蘇省の中等症に変わっていない重症者のすべてがワクチン未接種であることだ」と強調した。
「万全に備えるため、各国は変異株を対象とするワクチンの研究開発を進めている。中国は事前に手配しており、各ワクチン研究開発機関は各主要変異株向けのワクチンの一連の作業を進めており、遅れを取っていない」
鄭氏によると、中国はすでにガンマ株とデルタ株の不活化ワクチンの研究を展開しており、臨床前の研究が完了している。一部の機関は国家薬品監督管理局薬品審評センターに臨床試験申請資料を提出済みだ。一部機関は2価ワクチンの臨床前の研究を展開中だ。
鄭氏は、「各変異株の広域スペクトルもしくは多価組み換えタンパクワクチンの研究についても、一部機関は国家薬品監督管理局薬品審評センターに臨床試験申請資料を提出している。ベータ株とデルタ株を対象とするアデノウイルスベクターワクチンと核酸ワクチンの研究開発について、一部機関は動物有効性・安全性実験を完了しており、臨床試験の申請準備を進めている」と述べた。
また関連機関は、変異株向けのワクチン研究開発及び評価の指導原則を初歩的に策定済みだ。鄭氏は、「深刻な変異株が出た場合、この変異株向けのワクチンをスムーズに生産できる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年11月22日