メディアの最近の報道によると、中国人民大学は国際大学ランキングへの参加を終了する。また南京大学は以前、学校発展と学科建設は今後、国際ランキングを重要な建設目標としないと表明した。蘭州大学も、THE世界大学ランキングに参加したことがないと発表した。
多くの大学が国際大学ランキングに不参加という情報は、直ちにネット上で議論を呼んだ。あるネットユーザーは、「このような商業目的のランキングの不参加により学術研究に専念できる」とコメントした。別のユーザーは、「自身の評価体制を最適化するべきだ。ランキングを全部見る必要はないが、まったく見ないわけにもいかない」とした。
不参加の意味、専門家が分析
中国教育科学研究院の儲朝暉研究員は中国新聞網に対して、「大学の評価は多次元的で、ランキングは表面化させる方法に過ぎない。大学のランキング自体はメディアと学術の2種に分かれる。QS世界大学ランキングなどは実際に、主にメディアのランキングだ。世界各国の状況を見ると、真の一流大学に一つの共通する基準はない。優れていると言っても優れ方はさまざまで、一流もさまざまだ」と述べた。
儲氏は、「過去20年以上に渡り、一部の中国の大学はランキング、特に国際ランキングを気にしていた。そこで一部の大学は海外の格付け機関と結託し、グレーな取引を行った。ランキングを重視せず、その功利的な性質を弱め、専門や学術と関係のない要素のランキングへの影響を減らすべきだ」と続けた。
さらに儲氏は、「大学の評価は大学の発展において重要な効果を発揮する。ただ拒否するわけにはいかない」と注意を促した。
21世紀教育研究院の熊丙奇院長は文書の中で「この数校の世界大学ランキングへの態度は、重大な変化と言うべきだ」と分析し、次のように指摘した。
大学ランキングは大学に対する一種の社会的評価、教育を受ける者が大学を選択し、民間機関が協力先を選択するための一面の根拠だ。大学は大学ランキングを学校教育の参考にし、教育の進展、存在する不足と問題を分析できるが、ランキングだけを重視してはならない。これは大学ランキングと理性的に向き合う方法だ。
大学が世界大学ランキングの不参加もしくは拒否を発表しても、格付け機関がその順位をつけないとは限らない。公開されているデータを利用しており、学校からの提供を必要としないランキングもあるからだ。重要なのは、大学が順位の上下で一喜一憂せず、自校に合った方法で教育し、自校の位置づけを堅持することだ。大学が名声と利益を気にしなければ、大学のランキングも気にしなくなり、ランキングにおける大学になることもない。これは人々が理性的に大学ランキングと向き合うよう促す一助になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月11日