アレルギーはますます深刻化する世界公衆衛生問題となっている。世界アレルギー機構(WAO)のデータによると、世界人口の約30%がアレルギー性疾患に苦しんでおり、中国のアレルギー性鼻炎患者は2億5000万人。
北京協和病院変態(アレルギー)反応科の関凱主任は、「世界で緑が増え、さらに温暖化が加わり植生の成長サイクルが延び、花粉シーズンも長くなっている。これによりアレルゲンが増えている」と述べた。
社会のアレルギーに対する「防護ネット」をしっかり築くにはどうするべきか。効果的な措置には、アレルゲン観測ネットワークの構築、食品強制表示制度の普及、低アレルゲン都市緑地の建設などがある。
国家衛生健康委員会と国家市場監督管理総局は3月27日、59の食品安全国家標準及び改正リストを発表した。8大アレルゲンの表示を強制し、中国人のアレルギーのリスクを下げるよう新たに求めた。この措置は社会のアレルギー防護ネットの構築加速の進歩とされている。
全国の多くの中・大都市が花粉予報を行っており、一部の大都市は部門を跨ぐ観測モデルの開発を模索している。例えば国内で花粉の日常観測を早くから行っている天津気象局は現地の疾患データと結びつけ、喘息予報モデルを研究開発した。すでに喘息気象リスク等級予報を実施しており、今年はAIでモデルを最適化する。しかしアレルギー防止の社会システムを構築するためには、さらにより広く深い部門を跨ぐ協力と、中小都市及び農村部への広がりが必要だ。
中国は2016年より毎年8月の第2週を「アレルギー対策ウィーク」としている。そのテーマは「環境に注目」から徐々に「アレルギー予防」に、さらには「アレルギー専門科の発展、専門人材育成、末端医療機関への浸透、アレルギー患者への恩恵」へと発展した。その対策目標と方法が日増しに明瞭化している。
多くの問題を解消するためには、最終的に科学に突破口を求める必要がある。科学者の現在の主なアレルギー対策には、生物学的手段による特異的IgE抗体の調整や、特定プロバイオティクスを用いたTH1/TH2バランスの調整などがある。中国の科学者はすでに、季節性アレルギー性鼻炎を対象としたバイオ医薬品の研究開発など、質の高い多くの研究を行っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年4月3日
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