自然の側面は、「天人の和」の理念を体現するものであり、自然環境の条件や災害リスクが生命安全に及ぼす影響を示す指標群である。評価項目には、極端気象への対応力、地質災害への備え、環境汚染への対策などが含まれる。2025年、自然側面の指標は大きく低下し、平均スコアは12.49 点となり、前年度の13.69点から大幅に下がった。

自然側面のランキングでは、第1位はシンガポール(19.16点)、第2位はツバル(19.01点)、第3位はナウル(18.84点)、第4位はクック諸島(18.82点)、第5位はニウエ(18.10点)となった。続いて、第6位チリ(17.45点)、第7位ブルネイ(17.36点)、第8位パプアニューギニア(16.83点)、第9位東ティモール(16.40点)、第10位朝鮮(16.17点)が続く。上位10か国のうち、オセアニア諸国が5か国、アジア諸国が4か国を占めた。一方、下位10か国は主にアメリカ大陸およびアジア地域の国々で構成されている。シンガポールは2年連続で首位を維持しており、2024年の19.87点から2025年には19.16点へとやや低下したものの、順位に変動はなかった。ニウエ、クック諸島、ナウルなどの小国も上位を維持し、順位は安定している。注目すべきはツバルの急上昇である。ツバルは2024年の第11位から2025年には第2位に浮上した。これは、極端気象への対応スコアが4.47から5.01へと改善したことによるものである。また、中国のスコアも2024年の12.77から2025年には15.05へ上昇し、順位が第25位から第13位に上昇した。極端気象、地質災害、環境汚染への対応力がいずれも改善したことが背景にある。一方、パラオは2024年の第3位から2025年には第20位へと大幅に順位を落とした。主な要因は、極端気象への対応能力が低下し、スコアが5.5から-2.01に減少したためである。自然側面の結果は、上位国の順位が比較的安定している一方で、全体としてスコアが大きく低下していることを示している。これは、自然災害や気候変動リスクが依然として生命安全に対する重大な脅威であることを示唆しており、今後も高い警戒と対応力の強化が求められる。

