林芝(ニンティ)は、チベット自治区東南部ヤルツァンポ川下流域に位置し、平均海抜は3,000メートル前後。最も海抜が低いところでは900メートルしかなく、湿潤な気候で景色は美しい。林芝の森林は、原始的な景観がまだ残っており、“天然の自然博物館”、“自然の緑遺伝子バンク”と呼ばれている。中でも布裙湖一帯は伝説中の野人が良く出現する場所である。
林芝にはメンバ族・ロッバ族などの少数民族が居住している。彼らの生活習慣と宗教には伝統的な色合いが強く残っており、独特な民族風情がある。古い伝説・素朴な風俗・氏族制度、村落のトーテム崇拝、宗教的神話。こうしたものが、この遥か遠くの地に、より一層原始的かつ神秘的色彩を与えている。古い伝統的文化及びチベット仏教それと地元から興った宗教の隆盛によって、林芝には著名な寺院などの見所がある。ナムチャバルワ峰、ヤルツァンポ川大峡谷、パソン・ツォ、ザユル、ボミなど個性豊かな風景が旅行のポイントとなっている。
林芝は世界で最も深い峡谷で知られている。また世界一落差の大きな垂直の地形、非常に繁殖した植物や野生動物、高い山・絶えず流れる川、人力の及ばない原始的自然がここには残されている。世界でもまれな、人の手があまり入っていない“浄土”といえるだろう。
「チャイナネット」2007年12月19日