中国は北京五輪の体操で金メダルを9つ獲得した体操王国であるが、その支配的な地位がロンドン五輪で覆されることになりそうだ。米国、日本、ロシア、ルーマニア等の強豪が4年間で進化を遂げ、ロンドン五輪で中国を包囲する構えを見せている。
ロンドン五輪は前回と異なり、計14種目の半数以上の金メダルを獲得する国が現れることはないだろう。中国、米国、日本、ロシア、ルーマニアが金メダルを争奪し、各国の間に大きな実力差はない。
米国は北京五輪で、主に女子の力により金メダルを獲得したが、ロンドン五輪でも女子が主力となる。新人が加わった米国の女子体操チームからは、前回注目を浴びたナスティア・リューキンやショーン・ジョンソンが姿を消し、ジョーディン・ウィーバーや黒人女性のガブリエル・ダグラスといった実力者が揃った。ガブリエル・ダグラスは当時のショーン・ジョンソンと同じく、中国人の喬良コーチに指導された期待の星だ。ジョーディン・ウィーバーとガブリエル・ダグラスは、女子金メダリストを目指す。
米国の女子選手は特に脚力に秀でており、跳馬で900度の回転ができ、その他の種目でも大きな弱点がない。全体的な実力が各国の中でも特に秀でており、優勝候補とされている。また実力を上げた米国の男子選手も侮れない。中国と日本の男子選手による金メダル争いが注目される中、ダネル・リーバやジョナサン・ホートンが上位に食い込むかもしれない。種目別では、世界体操選手権を制したダネル・リーバが、平行棒で金メダルを獲得する可能性もある。