5月12日14時28分の四川省成都市。公共バスが街中を行きかい、多くの高層ビルに勤めるサラリーマンは昼休み後、オフィスに戻っていた。自由業の人や特にすることがない地元の人は、普段と変わらずクアズをつまみながら茶館にたむろし、トランプ遊びやお喋りに興じていた。
成都商報でグルメ番組の司会者を担当している米国人男性・ジョンは、某ホテルで番組ロケを行っていた。彼がお箸で野菜を取ろうとした瞬間、自分の手が勝手に震えだした。その直後、テーブル、椅子、大皿すべてがグラグラ揺れ始めた。何が起こったのか分らないこの金髪碧眼の男性の耳に、誰かが「地震!」と叫ぶ声が聞こえた。
ジョンはホテルのガラス窓越しに高層ビルがグラグラ揺れるのを見た。中にいた人々は群がってビルから外に出てきた。ふと我に返ると、彼もいつの間にか路上にいた。路上は人と車で溢れ返っており、近くにいたある同僚が口をあんぐりと開き、「このビルが倒れるのか?」と喉から声を振り絞るように唸った。
ジョンは当時を振り返り、「地震は私の目の前で本当に起こった。すぐさま現地メディアによる四川ブン川地震発生のニュースを聞いた。すべてが一瞬のうちに起こった。情報も瞬く間に中国全土に伝わり、隠されていることは一切ない」と語った。
「人民網日本語版」2008年5月27日 |