中国初の端午節の休日が7日から始まったが、北京市民の行楽や旅行への熱意は薄い。特に北京の11万8000人に上る大学受験生を抱えた家庭の多くはこの連休に受験する子供に付き添って過ごしている。「中新社」が伝えた。
ある母親は北京鉄路第二中学の校門前で次のように語った。この女性宅では女性の高齢の母親を含む家族全員がここ数日、高考(全国統一大学入試)に参加する娘を中心に過ごしている。この女性の同僚数人の子供も大学入試に参加するが、いずれも全力で入試に備えており、休日を楽しむ気持ちなどは全くないという。夏休みには子供を連れて出かけて気晴らしをするかもしれないと女性は語る。
北京の観光業界のデータによると、初めての端午節連休の観光ツアーの状況は予想したほど盛況ではない。初めての端午節連休に観光市場が低調な原因は、今年の端午節が大学入試の時期と重なり、多くの小中学生も高校や大学の入試のための復習にいそしむために家族旅行の計画を諦めた家庭が少なくないためだと業界では分析している。
この他に四川省ブン川で起こった地震も多くの人の考えに影響を与えたようだ。北京のある職業技術学校で学ぶ周さんは端午節に南京を訪れる計画を取りやめた。周さんと友人たちは、旅行用の費用全額を進学のために北京に来た被災地区出身の学生の生活用品や書籍の購入費用のために寄付することにしたという。節約した旅行費用を被災地区に寄付して学生の学費の資金援助を希望する北京市民もいる。
また、多くの北京市民が、端午節の連休3日間は思い切りリラックスしたいと考えている。ある外資系企業で働く路さんは、人の多い観光地やデパート、街中に出かけるよりも、一人で子供の頃の端午節の思い出に浸ったり、友人を招いて自宅で手作りのちまきを作る方が楽しいと語っている。
「人民網日本語版」2008年6月11日 |