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大学院生の就職に「高学歴差別」、企業は人件費増を敬遠
発信時間: 2008-11-03 | チャイナネット

大学院生など高学歴の人材は、容易に就職先が見つかるイメージがあるが、実情は決してそうではない。この2年で多くの大学が大学院生の募集を拡大したことで、修士や博士の就職活動は時には学部生よりも困難になっている。高学歴が就職における「障害」にすらなっているのだ。雇用側の「高学歴差別」で就職活動が困難になることを心配する大学院生も多い。「新民晩報」が伝えた。

差別1 高学歴=高コスト

法学の修士課程に学ぶ張さんは、山西省出身で現在就職活動中。給与は最低4000元を希望しているが、これを口にするたびに雇用側から難色を示される。張さんの希望額を聞いたある面接官は「君たち大学院生が高い給与を求めることは知っているが、同じような仕事は学部卒でもできるし、しかも半分の給料で済むことを、考えたことはあるのかな。君を採用したことで、我々のコストを上げることはできないよ」と吐露したという。

差別2 女性の博士=高年齢

上海外国語大学で翻訳の博士課程に学ぶ李さん(女性)は、すでにある大学に採用が内定しているが、人事部の当初の態度は今も忘れられない。李さんが既婚であることを知ると、大学側は出産後に改めて来るよう求めてきたのだ。これは簡単な理由で、大学側は李さんの妊娠・出産で代理講師を立てる必要が生じ、人件費が増加することを恐れたのだ。現在「高齢」の影響は女性の修士にまで及んでいる。

差別3 優等生=経験ゼロ

現在大企業は学生を採用する際、即戦力をより重視するようになっている。この点で修士や博士は「勉強ができるだけで、経験はない」との印象を与えてしまう。上海外貿学院で英語の修士課程に学ぶ徐さんが昨年ある会社で実習した際は、引率の教授が彼女のことをいろいろと気遣った。彼女には経験がなく、失敗を犯すことを心配した会社側が「特別配慮」を施したのだ。事の真相を知った徐さんは、たいへん気落ちしたという。

「上海招聘ネット」は「『帯に短し襷(たすき)に流し』で、雇用側は一般に大学院生への信頼が不足している」との調査結果を発表した。4~5年前は給与希望額は「修士8000元、博士1万元」が一般的だったが、厳しい市場競争の中、現在ではほとんどの大学院生が最低2000~2500元としている。可鋭管理諮詢有限公司による最近の別の調査によると、修士卒の平均給与は学部卒を約1000元上回るに過ぎない。

上海外貿学院大学院生指導員の葛先生は「多くの大学院生がいわゆる『高学歴差別』を心配しているが、雇用側からすると、実はこれは『要求は高いが実力が伴わない』ことの代名詞だ。こうした情況の下で、大学院生にとっての急務は、期待を引き下げ、仕事で自分の能力を実証してから、改めて待遇を検討することだ」と指摘する。

「人民網日本語版」2008年11月3日

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