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学生が「遺書」の模擬作成体験 |
発信時間: 2008-11-19 | チャイナネット |
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2)専門家:「『死』の教育は慎重に」 雲南省健康教育研究所心理カウンセリングセンターの趙白帆・主任は「死の教育」について、両親に対する一定の認識過程を経る必要性を説く。中国文化ではこれまで、「死」に関する話題は一種の「禁句」であり、子供、あるいはまもなく人生を終えようとしているお年寄りに対して、人々は「死」を話題にすることを避けてきた。大人は家庭内で、子供が「死」に極力接しないよう努めてきた。「死」を目の当たりにしたり、あるいは耳にすることによる子供達の焦り・恐怖・不安を避けるためだ。しかし皮肉なことに、過度な隠ぺいはかえって子供達の間に「死」に対する神秘感・好奇心を生み出す。その結果、「死」に関する不正確な情報が伝わり、「死」を軽々しくとらえる考え方を生んでしまう。果てはほんの些細なことで自身の尊い命を投げ出すといった状況も生まれかねない。 さらに注意すべきは、子供は思春期の頃、強烈な「死の本能」に襲われ、「死」を容易に一種のロマンチックな行為だと誤解し、自身に忠実な一種の感情表現だと考えることがあるのだ。思春期の恋愛問題で処理を間違い、子供が死を選ぶケースも多く発生している。 「『死』に直面することは、『死』を避けることよりもベターなはずです」。昆明一中心理カウンセラーの牟潔さんは説く。「死」をタブーとする中国文化のため、現在多くの子供達の抵抗力が低下しており、一旦家族の誰かが亡くなれば、一部の子供は悲しみに明け暮れ、悶々とした日々を過ごすこととなるという。 「『死の教育』によって、青少年は生命の真実の過程を理解することができるだけではなく、生命に対して科学的な理解を得ることで、成年になってからも達観した姿勢で生命の過程の一切に立ち会うことができるようになり、生命をより尊重し、愛することができるようになります。『遺書』を書くというのは死の教育のひとつの方法であり、学生が『死』に直面したとき、『命』を惜しみ、自身の内心にある本当の感情、さらには家族に対する愛を感じることができるのです」。趙主任はこのように述べている。 雲南省の著名な心理学者、雲南師範大学教科院の趙建新・教授もまた、小中高校での「死亡教育」の必要性を説いている。「大人は子供には耐えられないと思うかもしれませんが、子供にも受け入れるだけの力はあります。『死の教育』とは子供に死を後押しするものではなく、自身の身を守ることを学習させるものなのです」。 しかし趙教授は同時に、この種の教育・訓練には一種の慎重さが必要であり、すべての児童・生徒に適しているかどうかを考慮する必要があると語っている。実際に家庭内で「死」に直面したことのある子供の心の痛みを増す結果を呼ぶ可能性も秘めているからだという。 「人民網日本語版」2008年11月18日
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