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定年退職年齢は延長すべきか 専門家「今は不適切」
発信時間: 2008-11-26 | チャイナネット

最近注目を集めている「法定退職年齢の延長」や「定年退職の延長で若者の仕事が減るのでは」といった論争について、中国社会科学院法学研究所の李林所長は、「これは社会の基本問題だ。関係当局は現在の国情に合わせて検討し、さまざまな要因を見定めた上で時期を選ぶ必要がある」と指摘する。「中国青年報」が伝えた。

退職年齢の延長によって若者の仕事が減るのではないかという問題について、李所長はある統計を使って自らの見方を次のように説明した。

今年3月に開かれた全国両会(全人代と全国政協)期間中に、元・労働社会保障部の担当者が「毎年都市部では新たに2千万人以上の労働人口が増加している。この状況は今後長期間続く見通しだ。中国の雇用状況は極めて厳しい」と発言した。都市部にはその年の新卒者と前の年に就職できなかった人が2400万人いるが、一方求人数は1200万ほどしかない。その上、農村部で余った労働力が約800万人も都市部に移動しているのが現状だ。

これは中国のGDP成長率が8~10%を維持している場合の社会の雇用状況だ。今の問題はこの部分の雇用問題をどう解決するかということだ。「定年退職年齢を延長」する人の多くはすでに働いている人だ。一般的に衣食に困ってはいないし、その立場は強い。求職者グループには「代表者」がおらず、相応の保障もないため、どうしても声の「小さい」社会的に立場の弱いグループとなってしまう。

今後一定期間は主に改革の深化、経済発展の加速、就職口の増加などの問題に精を出し、就職口と国の財源が増えさえすれば、社会年金の確実な保障につながる。

向こう3~5年で退職年齢の延長を改革するのは現実的ではない。地域や業界別に調査を行い実験してから、全面的な分析と検討を進めるのが妥当だ。

また、「定年退職の延長」も一気に推進するのは適切ではない。人、仕事、職員、地域によって決めるべきだ。医者・裁判官・検察官・教師・管理技士・ハイテク分野の特殊人材などは状況に合わせて定年退職年齢を延長したり、現行の「定年退職者再雇用制度」を普及させることもできる。一番いいのは一定の範囲内で定年退職の年齢が自由に選択できる権利がある、フレキシブルな、人にやさしい定年退職制度だ。

「人民網日本語版」2008年11月26日

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