ファッションブランドの「ディオール」と「シャネル」は上海でこのほど、春夏コレクションの小型ファッションショーをそれぞれ開催した。金融危機の影響を受け、この2ブランドが打ち出すファッションスタイルもさらに実用的でシンプルなものになった。09年の春夏ファッションは例年に比べてずっとさっぱりしたものになりそうだ。「新聞晨報」が伝えた。
「食事でおなかをいっぱいにするかガソリンで車を満タンにするかでみんなが悩んでいる時に、シルクとしわ加工のどちらかきれいかを気にする人などいない」。ニューヨークファッションウィークの期間中、米国のトレンドメディアにはこんなコメントが載せられた。実際、ニューヨークからパリまで、ミラノから上海まで、09年春夏シーズンのファッションはいずれも、このような情緒を反映したものとなっている。
上海出身のデザイナーによると、09年春夏シリーズの設計にあたっては、どのデザイナーも金融危機の打撃を考慮している。大げさで目立つスタイルは避けられ、より実用的なデザインと色が選ばれる傾向にある。ディオールとシャネルの春夏プレビューでも同様の傾向が見られ、このシーズンではあまり使われることのなかった黒や灰色を使ったデザインが打ち出された。焦りと不安をはらんだ人々の情緒に合ったカラーの選択と言える。
実用的で何度でも着ることのできるクラシックなスタイルは、これまでの人目をひく派手なスタイルに取って代わり、09年の春夏物の中心となっている。上海の恒隆広場で消費者に聞いたところ、「春夏シーズンには新しい衣服が欲しいが、ワンシーズンで着られなくなってしまうようなデザインは買わない」という人がほとんどだった。ディオールとシャネルの発表会でも、ここ2年で流行していたミニスカートは姿を消し、はきやすいロングスカートが多く見られた。また、秋や冬にも着ることのできる長袖のコートもファッションショーの人気デザインとなっていた。
「人民網日本語版」2009年1月16日 |