2018年、2022年サッカーワールドカップ(以下、Wカップと略)招致の締め切り日はすでに過ぎた。FIFAが発表した申請国のリストには中国が含まれていなかった。これで、中国のWカップ招致に熱を上げていたサッカー・ファンたちはきっとがっかりしたにちがいない。しかし、この二回のWカップの招致について冷静に分析すれば、中国はこの大きな代価を必要とするレースに参加しないのは、確かに賢明な選択だろう。
Wカップ招致は時には簡単な場合もある。例えば、ブラジルが2014年Wカップ主催を招致したプロセスは朝飯前と言ってもよかった。2006年主催権を逸した南アフリカは、いとも簡単に2010年Wカップの招致に成功した。
Wカップ招致に比べれば、五輪招致の波及効果はより大きなものである。FIFAは世界の大国である中国がWカップ招致のレースに参加することを願い、世界の人口の20%の中で、Wカップの重要さとコマーシャルの価値を高めることをねらっている。それゆえに、ブラッターFIFA会長が中国のWカップ招致を支持する意思表明をしたのは納得できるだろう。
しかし、Wカップ招致はそれほど生易しいものではない。まず、巨額の資金を必要とする。オーストラリアのメディアによると、オーストラリアはWカップ招致のためにすでに4500万米ドルを費やしている。
もし中国はWカップ招致に参加すれば、確かにそれを白熱化させることになるかもしれないが、中国にとって成功の可能性は非常に低い。FIFAは先般、合同招致の形を取り消した。つまり、スペインとポルトガルの合同招致はもうダメになった。「これは中国の招致に有利となろう」と中国のあるメディアは表明したが、実はスコットランドこそ最大の受益者である。なぜかというと、FIFAのヨーロッパ系の人たちはこぞってスコットランド支持にまわるに決まっている。一方、アフリカのサッカー界はヨーロッパのそれと緊密な関係を保っており、ヨーロッパを支持する可能性も高い。南北アメリカのサッカー界はアメリカを支持するに決まっている。
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