米ニュージャーシー州にあるニューアーク国際空港で最近起きた事件。米国に留学中の中国人博士課程学生・蒋海松(28歳、男性)が、セキュリティチェックを強行突破してセキュリティゾーンに入り、中にいた女性とキスを交わした。空港はこの騒ぎで6時間も閉鎖され、乗客はセキュリティチェックの受け直しを余儀なくされた。100便以上が出発遅延となり、数千人の乗客が足止めされた。事件を起こした中国人留学生は、不法侵入の現行犯で逮捕され、500ドルの罰金処分を受けた。
米空港での中国人留学生の「キス」事件は、昨年クリスマスに米旅客機爆破未遂事件が起きたことで、米国が空港安全管理システムを見直し、空港でのテロ対策を強化した矢先に起きた。米国は「疑心暗鬼」の極限状態に陥っていたため、空港では、セキュリティゾーンの不法突破に対し、最悪の事態に備えた最も強烈な対策が講じられたのだ。
今回の事件は、中・米両国のネットユーザの大反響を呼んだ。中国人留学生を含む多くのネットユーザからは、今回の事件は「みっともない」もので、このような振る舞いは「中国人の恥だ」という批判の声が上がった。あるネットユーザは、国内では「個人的な行為」だと済ませられる好ましくない習慣も、海外では、「中国人の行為」と見られ、中国人の顔に泥を塗る愚行だと指摘する。また、蒋海松が博士課程学生であるからといって、彼が相応の人間的素養を備えているとは限らないと指摘するネットユーザもいた。多くのネットユーザは、彼に対する処罰はあまりにも軽く、もっと重い罰を与えるべきだと憤慨の意を示している。
中国人ネットユーザの激しい反応に比べ、多くの米国人ネットユーザは、比較的寛容な態度を示している。ある米国人ネットユーザは、「我々米国人から見ると、蒋海松がとった行動は、我々が安全保障の根本問題について考える良いチャンスを与えてくれたと言える。我々は、彼の取ったロマンチックな行動を責めるのではなく、安全保障の強化についてより深く考えるべきだ」と主張している。ある米メディアは、勝手に持ち場を離れて不法侵入を許したセキュリティチェック担当者こそ非難すべきだと報じた。
「人民網日本語版」2010年1月11日 |