「日本の子供が中国の子供より正直な理由」と題する文章が、13日付「中国青年報」に掲載された。同文章には、中国・日本・韓国・米国4カ国の高校生を対象とした財団法人・日本青少年研究所の調査データが引用されている。調査データによると、「授業中に居眠りをする」割合は、日本の高校生が45%と最も高く、中国の高校生は4.7%と極めて低かった。文章はこの調査データに懐疑的な見方を示し、授業中に居眠りをする中国の生徒は、実際にはこの割合よりずっと高いと指摘する。以下、文章の概要。
国内の各掲示板にも、極めて低い「居眠り率」に疑いを示す多くの書き込みがあった。その根拠理由として、(1)サンプリング調査が非科学的で、調査対象となった生徒の圧倒的多数が、授業中に居眠りなどしたことがない優秀な学生だった(2)調査対象となった中国人生徒が本当の事を言わなかった、の2点が挙げられた。
このアンケート調査が対面あるいは電話で行われた際に、各回答者の心の中には、「模範的な答え」と「正直な答え」が浮かんだに違いない。具体的には、「真面目に先生の話をしっかり聞く」が「模範的な答え」で、「居眠りをしている」が「正直な答え」だ。中国の子供はこういった場合、知ってか知らずでか、「模範的な答え」を選ぶ傾向が高い。「授業中に居眠りをする」高校生の割合が「4.7%(中国)」は「標準的な回答」で、「45%(日本)」は「正直な答え」と言える。日本の方が「正直に答える」子供の方が多い背景には、社会文化、家庭環境、教育体制など複数の要因による影響が見え隠れしている。
日本の親は総じて、子供が幼児期から「正直な子」に育つよう心を配る。3、4歳の幼児がうっかり花瓶を割ってしまった場合、本人が正直にそれを打ち明ければ、叱られることはまずない。それどころか、正直に話したことを褒められることもある。逆に、本当のことを言わないばかりか、他人のせいにしようとした場合は、間違いなく叱られ、お小遣いやお年玉で花瓶代を弁償させられることもある。このように、子供の態度で親の反応は全く違うことから、物事が分かり始める頃には、子供の心の中には、「正直が一番」という観念が根づく。一方、中国では、多くの親が「パーフェクトな世界」を子供に与えたいと願う。美少女作家・蒋方舟は、「嘘で固めるのは、中国の親の天職です。虚飾の世界を作り、子供を無菌状態に置き続けようとするのです」と指摘する。
日本の子供が、「将来はパン屋さんになりたい」と言えば、親は、「それはいいね」と賛成する。しかし、中国の子供はしばしば、高尚な理想を持つことが求められる。ありふれた小さな夢なら、親や教師に批判される。成長するにつれ、子供の心の奥底に「模範的な答え」が深く刻みこまれる。
日本では、「正直と信用」の教育が一生を通じて重視される。家庭では、両親が常日頃から、「嘘をつくことは絶対許されない」と子供に教える。学校でも、「正直」の2文字は、常に見聞きする。会社では、「正直と信用」がほぼ普遍的な経営理念となっている。
「人民網日本語版」2010年4月13日