中国外交部の秦剛報道官は8日の定例記者会見で、違法に越境貿易をしていた疑いがかかっている遼寧省丹東市在住の中国人が、朝鮮の国境警備部隊から銃撃を受けた事実を認めた。「環球時報」が9日付で報じた。
丹東に住む事件関係者が8日、同紙記者に語ったところでは、事件が起こったのは新義州近くの鴨緑江という。密輸船に乗っていた中国人が朝鮮語で話しかけられ、手に持っていた懐中電灯で確認したところ、朝鮮の国境警備部隊の隊員であることが分かった。朝鮮人兵士は、相手が誰であるかを確認せず銃を発射した。密輸船で逃げる途中に、重傷を負った2人が死亡、1人が行方不明となった。翌日、行方不明者の死体が鴨緑江で発見された。ただし、この死亡者は、朝鮮のパスポートを保持する中国在住の朝鮮人という。
現地関連部門によると、朝鮮側の説明では、「天安号事件」以来、朝鮮は警備を強化しているという。密輸船に乗っていた中国人は、朝鮮語を話し、迷彩服を着ていたことから、朝鮮人兵士は韓国のスパイだと思い発射した模様。事件後、中朝双方はともに法医学者を派遣して死体解剖を行い、死因を確定した。朝鮮側は、死傷者の家族への慰問を希望すると同時に、この事件が両国関係にマイナス影響が及ぶことのないよう願っているとコメントした。
「人民網日本語版」2010年6月10日