河南省、深セン市、陝西省、安徽省、海南省など各地の最低賃金が1日から引き上げられた。引き上げ幅は、深セン市を除き軒並み20%を上回った。このうち海南省の一部の地域の賃金引き上げ幅は31.7%と、全国で最高だった。
全国総工会(労働組合総連合に相当)関係者によると、最低賃金の引き上げを実施したのは全国27省・自治区・直轄市。今回の引き上げによって、所得分配制度の改革推進のための確実な一歩が踏み出された。
中国労働学会副会長と給料専門委員会会長を務める蘇海南氏は、「最低賃金の引き上げは、それぞれの実情に基づき、今年の経済発展情勢が安定していることや物価上昇傾向を考慮し、各地が低収入労働者の基本的生活をより保証するために実施したものだ」とコメントしている。
今年上半期に最低賃金引き上げを実施した地方と違い、7月1日から引き上げを実施したケースでは、引き上げ幅はほぼ全て20%を上回った。各地の具体的な引き上げ幅は、安徽省25.9%、雲南省22%、湖南省27.8%、河南省23%など。
清華大学政治経済学研究センターの蔡継明主任は、「この背景には、中国の最低賃金レベルは世界平均よりかなり低いという事実がある。今回の引き上げが実施された後でも、賃金レベル上昇の余地はまだかなりある」と指摘した。
統計データによると、中国の最低年収は世界平均の15%にも届かず、世界で159位。
蔡主任によると、企業の受容能力から総合的に判断しつつ、中国は「第12次五カ年計画(2011-2015年)」中に、中国の最低賃金を世界平均レベルに段階的に近づける必要があるという。「最低工資(賃金)規定」によると、最低賃金は、各地の状況に応じ、最低2年に1回調整するとしている。
「人民網日本語版」2010年7月1日