香港からの中国人観光客が犠牲となったバスジャック事件の現地調査委員会は、今月15日にベニグノ・アキノ三世大統領に提出する予定だった最終調査報告書を、詳細の確認に時間がかかっていることから、2日遅れの17日に提出することとなった。現地メディアが16日、伝えた。
人質事件調査委員会の責任者を務めるレイラ・デ・リマ司法長官によると、同長官は詳細の検討・確認に時間がかかっていることから、最終調査報告書の提出が遅れる旨を大統領に伝えたという。
大統領は調査委員会の報告書提出が17日にずれ込むことを承認しているという。
リマ司法長官は16日、最低10人の政府官吏、警官、ジャーナリストに対する刑事・行政執行上の過失責任を問うよう政府に提案した。長官は、起訴の対象となる具体的な人物や、具体的な起訴理由については、明かさなかった。
長官はマニラで行われた記者会見において、「生還した人質3人の証言に基づき、犠牲となった8人は全員、バスジャック犯のメンドサに射殺されたと断定した」と発表した。
また、「犯人のメンドサが、犠牲者全員を殺害したと本当に断定できるのか」という質問に対し、長官は「イエス」と答え、「3人の証言が確かなものと確証した」と付け加えた。
長官は先週、「犠牲者はフィリピン特別警察の誤射によって命を落とした可能性がある」と語っていた。このことについては、「いくつかの可能性が考えられたが、最終報告を完全なものとするため、安易にそれを漏らすべきではなかった」とコメントした。
フィリピンのビナイ副大統領は、調査報告書完成後、そのコピーを中国側に手渡して事件調査を引き継ぐため、代表団を率いて中国を訪れる予定という。
「人民網日本語版」2010年9月17日