人口は5万人以下、大自然の恩恵を受けながらそれを守る努力を怠らず、身体に優しい食事を心がけ、健康的な暮らしを送る…、そんなスローライフを支えるまち、それが「スローシティ」だ。
チッタズロー(Cittaslow:伊語。スローシティの意)国際連盟のPier Giorgio Oliveti事務総長が先だって、上海で開催された第3回中国国際ロハスフォーラムに出席し、ロハスピープルやエコピープルの話題をさらった。1999年に結成されたスローシティ国際連盟が認定する「スローシティ」。今では24カ国135市町村が「スローシティ」の認定を受け、ネットワークに加盟している。今年11月に開催されるスローシティ国際会議において、中国江蘇省高淳県が「スローシティ」認定市町村として正式に公表される予定で、認定されれば中国初の「スローシティ」が誕生することになる。
「スローシティ」環境に優しいまちづくり
Oliveti事務局長によると、スローライフ運動は彼の母国であるイタリアにおいて1999年から始まったものである。第1号スローシティであるオルヴィエートという小さな村が母体地となっている。イタリアは食材や食文化を重視する「スローフード」の起源地で、スローフードを広く伝えようとする中で、「スローシティ」という概念が生まれたと言われる。
どのような街や村が「スローシティ」として認定されるのだろうか?Oliveti事務局長はその答えを率直に述べている。「スローシティという概念は今後どんどん変わっていくものですが、今の段階で基本となる条件や要求を掲げています。例えば、地域や住民や訪問者に優しいまちづくりを行っていること、地域固有の文化や自然を維持していること、伝統文化を継承しながら現代文化も取り入れていること、住民がすべて本物の自然の恵みを享受できること、商売は公平に営まれていること、健康的な食生活を送っていること、子孫のために出来ることを模索していること、質の高い生活を保持していること、などが挙げられます。また、自然に優しいまちづくりを行っていることが必須条件です。例えば、人口は5万人を超えてはならない、自然保護や維持のために努力を怠らない、今後の発展に適合するやり方を取り入れようとしている、などが挙げられます」
高淳県椏溪鎮が中国初「スローシティ」になるか
今のところ中国国内には「スローシティ」に正式に加盟している地域はない。江蘇省高淳県がその認定の申請を行っている段階で、上手くいけば、11月にスコットランドで開催されるスローシティ国際会議で、高淳県椏溪鎮「生態之旅(自然景観地域)」が「スローシティ」として認定される予定である。そうなれば高淳県は中国で「スローシティ」第1号のまちとなる。
高淳県椏溪「生態之旅」は、高淳県椏溪鎮の北西部に位置し、面積約49平方キロメートル、人口約2万人の、椏溪鎮の北西部を縦断する丘陵地域にある集落である。沿道には、茶畑、竹林、果樹園、薬材栽培など、エコ農作物の栽培基地があり、民族文化も多く継承されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年10月29日