衛生部の陳竺・部長は9日、中国では30あまりの業界で多様な職業病が存在、勤務中に労災被害に遭った人は推計2億人に達すると述べた。中国はすでに職業病の多発期に入り、問題が浮き彫りになっている。予防対策は極めて深刻かつ緊迫した課題となっている。「中国新聞社」が伝えた。
陳部長は長沙市で開かれた全国職業病予防業務座談会の席上、専門家の推計を元に、実際に発病した患者数は報告された数字を遙かに上回る可能性を示唆した。昨年を例にとると、中国国内で報告された職業病症例数は前年比31.9%増、新中国成立以降、累計72万例が報告されており、煤じんによる肺病が65万例以上で最多だった。
同座談会によると過去数年来、中央財政は相次いで6億元以上を投じ、化学中毒・核物質放射線医療施設、重点職業病観測センターの建設などに充てられた。中国には現在、職業健康検査機構が計2259施設あり、昨年比446施設増えた。職業病診断機構は489施設、同73施設増となり、職業病予防法規標準体系もほぼ完備された。しかし同時に、一部の省・自治区では半数以上の県がいまだ職業健康検査施設を設けていない。全国60以上の地域・都市には職業病診断機構がなく、職業病診断機構がわずか1施設という省(自治区)もある。
「このような状況には一刻も早い改善が必要」。陳部長は座談会で「労働者の身体安全第一を堅持、多くの農民工(出稼ぎ労働者)が直面する職業病問題を解決し、健全な職業病予防サービスのネットワーク構築が必要」と訴えた。
「人民網日本語版」2010年11月10日