公安部経済犯罪捜査局の劉文璽・副局長は17日の記者会見で、中国の経済犯罪事件総数は増加傾向にあり、2000年以降、年平均増加率は9.2%に達していると語った。今年第3四半期までに(1-9月)、経済犯罪案件数は19.9%も急増している。劉副局長によると、総数が増え、増加率が伸びている。経済犯罪は徐々に犯罪の主流になりつつあるという。「人民日報」が伝えた。
中国は現在、経済転換・社会転換という歴史的に特殊な節目にあり、経済管理において盲点や脆弱さが多く存在、経済犯罪を誘発する要素が増えている。経済犯罪は以下の特徴を呈している。
▽大衆化の傾向が増した。不法な資金集め、転売など多くの市民に関わる経済犯罪が明らかに増加傾向にあり、容疑者数は多く、犯罪主体が多元化、組織力が強く、大規模な事件をきわめて容易に引き起こすため、社会の調和と安定に影響を及ぼすひとつの大きな問題になっている。全国で昨年摘発された不法な資金集め事件は計2641件、前年比56%増えた。同じく転売犯罪は2618件、同106%増。摘発済み事件をみると、一部の転売、不法な資金集め事件に関わった人は数十万人、総額数十億元に達する。
▽プロ化の特徴が鮮明。数年来、偽札、ニセ領収書、ニセキャッシュカードなどの犯罪が急増している。多くの犯罪者はこうした犯罪で生計を立てており、血縁関係、地域関係を通じて「プロの犯罪グループ」を結成、製造・保管・輸送・販売が一本につながっており、不法な地下産業を形成、金融・税務の秩序を著しく壊している。昨年以降、広東・河北などで1億元以上の偽札、1千万枚以上のニセ領収書が摘発された。
▽ネットワーク化がエスカレート。数年来eコマース取引額が大幅に拡大、一部サイトが経済犯罪のルートとなり、ネットを悪用して犯罪方法を伝え、犯罪道具を販売、市民の財産をだまし取るなどの問題が増え、社会への危害が高まっている。昨年捜査を受けた「世界通公司」ネット転売事件では不法利益10億元以上、全国各地の数万人が関わった。
▽複雑化が浮き彫りに。経済犯罪が違法行政、組織犯罪、テロ活動などと入り交じり、国内外犯罪が融合、状況はより複雑になっている。とりわけ経済犯罪は往々にして腐敗行為と密接な関係がある。
経済犯罪が腐敗行為を激化、腐敗行為が経済犯罪の後ろ盾となっている。とりわけ商業賄賂などの犯罪では業界の「ヤミルール」が容易に生まれ、社会風紀を乱し、信用体系構築に危害が生じ、社会に劣悪な影響を与えている。
「人民網日本語版」2010年11月19日