今回、中国で快挙を成し遂げた翟さんは山東省日照市というマリン・スポーツの盛んな町の生まれ。ちなみに、アメリカ在住の華人のノーベル賞物理学受賞者丁肇中さんも日照市の出身らしいが、とにかく海に面したこの町は漁業の盛んなところで、海外に移住している人も多い。
北京オリンピックで日照市に近い山東省の青島にヨットなどのマリン・スポーツの会場が置かれ、私もそのヨットハーバーを見て来たが、その時から、やがて翟さんのような人間が現れる日が来るのではないか、という予感がしていた。
日照市ではさっそく翟さんを同市の「イメージ大使」として、世界にマリン・スポーツの町日照市をPRしてもらおうとしているらしい。
翟さんは、世界各地の華人にも、ヨットで大海原を横断してみては、と呼びかけているそうだ。私はこれはたいへんすばらしいアイデアだと思うが、翟さんが次のチャレンジに乗り出す前に、日照市や山東省の関係者からいろいろな海図、海洋気候についてのレクチュアを受けることを僭越ながらアトバイスしたい。ハリケーンや台風、途中での補給、GPS、衛星通信、外交知識などの勉強も不可欠だと思っている。画家ゴーギャンへのあこがれだけで大海原に乗り出すのはリスクが大きすぎると思うのだが、どうだろう。さらには海賊にやられないように気をつけることも必要だろう。