中国外交部の最新情報によると、2月28日午前10時の時点で、リビアから脱出に成功した中国人は、約2万9千人に達したという。空軍は同日、輸送任務を実施するため、輸送機「イリューシン76」4機を現地に派遣した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
外交部によると、リビアから脱出した2万9千人のうち、約2500人はすでに帰国、約2万3千人は第三国に一時避難、約3400人は第三国に向かっているという。
第三国に避難した約2万3千人のうち、ギリシア・クレタ島に約1万人、マルタに約1600人、チュニジア・ジェルバ島(Djerba)に約1万1千人、スーダン・ハルツームとアラブ連合共和国ドバイに約400人がいる。
28日、リビアから脱出した中国人278人を載せた東方航空MU599便が上海浦東国際空港に到着した。また、中国企業の現地従業員340人は、駐エジプト中国大使館が手配したエジプト航空チャーター機でカイロに到着、本国への帰国を待っている。中国政府がチャーターした外国貨物船2隻に乗った約2800人は、マルタに向かっている。中遠集団所有の貨物船「天福河」は、約600人を載せ、クレタ島に向かっている。
リビアを脱出し、ギリシアに一時避難している中国人によると、多くの在ギリシア中国人が自らクレタ島に赴き、リビアから脱出してきた同胞を支援するため、現地大使館職員の指示のもと、各種作業にあたっているという。
在リビア中国大使館と中国政府が派遣した前線作業チームは引き続き、現地中国人の陸路によるチュニジアへの脱出作業にあたっている。一部の在リビア中国人は、中国政府がチャーターした海外チャーター機に乗り、ハルツームとドバイへの脱出を開始した。
駐リビア中国大使館の王旺生大使は、「脱出作業の士気はますます高まっている。リビア東部地域の中国資本企業従業員や現地在住の中国人約1万3千人は全員、26日午前に脱出を終えた。現在は、リビア中部の沿海地域や砂漠地帯にいる中国人脱出に力を入れており、最後の中国人が脱出するまで決して気を抜かない」と語った。
在リビア中国人の全員帰国をできるだけ早く実現させるため、中国民用航空局は大規模な輸送計画を立てた。2月28日から3月10日まで、中国民航は毎日計15機を輸送任務のために派遣している。このうち東方航空は、毎日4便をマルタへ飛ばしている。
中国政府に協力して輸送業務を実施している国際航空、海南航空、南方航空、東方航空4社のチャーター機7機は2月27日、チュニジア、マルタ、ギリシャに向かい、計1400人の中国人を帰国させた。
「人民網日本語版」2011年3月1日