リビア情勢が悪化の一途をたどる中、中国政府が、現地中国人を脱出させる目的で、秩序立った有効な手配を行ったことは、海外メディアに深い印象を残すと同時に、国際社会から高い評価を得た。
26日付米「ニューヨーク・タイムズ」電子版は、「在リビア中国人、地中海港に到着」と題する報道記事を掲載、「数千人にのぼる中国人がリビアから脱出し、地中海を越えてギリシアの港に到着した。また、さらに多くの中国人が陸・海・空の各ルートによってリビアを離れている」と報じた。また、中国政府はギリシャ・クレタ島に埠頭4カ所とホテル11軒を借り、チャーター機で中国人を輸送しているという。
ヤフー報道サイトは26日、「中国政府は26日の時点で、リビアから1万6千人以上の中国人を脱出させた。民用航空総局は今後2週間、一日15便のチャーター便を飛ばし、現地に残っている中国人の脱出にあたる方針だ」と伝えた。ロシア国営イタルタス通信も、中国政府による脱出手配の詳細を報じた。
米上院外交委員会ウェブサイトは、中近東政策専門家エリオット・エイブラムス( Elliott Abrams)氏による「どの国が超大国か?リビアからの教訓」と題する文章を掲載した。同文章は、「中国政府は、多くのチャーター機や輸送船をリビアに派遣しただけではなく、アデン湾海域では、海軍のミサイル護衛艦「徐州」に脱出した中国人を載せた輸送船の護衛任務にあたらせ、在リビア中国人の脱出に多くの支援と保護を提供した」と指摘、「中国は、自国人が危険な目に遭うことを断じて許さないという姿勢を、口に出す代わりに、行動ではっきりと示した」と評価した。
仏AFP通信や欧州通信(Euronews)も、中国政府は、海、陸、空路による過去最大規模のスピーディで秩序ある脱出を手配したと報じた。欧州最大の中国語新聞「欧州時報」は、「複雑で厳しいリビア情勢下で、中国政府によるタイミングを得た、力強く多角的で効率の高い脱出手配は、在外中国人を含む「中国人」の命に対する価値観が、昔とは比較にならないほど高まったことを世界に顕示した。また、中国政府が『新しい人文外交政治』を着実に実行していることや、在外中国人に対する保護力が顕著に高まっていることもはっきり示している」と評した。
カナダ通信(CP)は、「中国政府は今回、史上最大の中国人脱出措置を講じた。海軍艦艇を派遣して在リビア中国人の脱出を護衛し、自国民保護に対する重視と海外での壮大な力を国際社会に知らしめた」と報じた。
「人民網日本語版」2011年3月4日