仙台留学時に魯迅が暮らした下宿先 |
東日本大震災で深い痛手を負った仙台市。中国の文豪・魯迅(1881-1936年)が留学生活を送った場所であることから、中国人も仙台市には特別な思い入れがある。日本の華字紙、日本新華僑報(電子版)が伝えた。
仙台市の郊外は風景が美しいことで有名。日本三名湯の一つ、秋保温泉や作並温泉など温泉街もある。
仙台の松島は日本三大名所の一つ。松島湾に大小さまざまな260の島が浮かぶ。広島の厳島、京都の天橋立と並び日本三景と呼ばれており、観光客の足が年中途絶えない。
中国人の多くは国語の教科書に収録されている魯迅の文学作品「藤野先生」を通して仙台を知る。当時の仙台は人口10万人の中級都市。森林の都とも呼ばれ、当時の市内には木々の生い茂った武士の邸宅があり、その一部はいまも保存されている。魯迅が通った東北大学のキャンパス内に魯迅記念館がある。1間20平米の木造建てで、内装は教室風の造り。壁には魯迅の成績表が掛けられている。大学が数年おきに修繕しており、学生たちも記念館に敬意を払っているという。
最新情報によれば、魯迅記念館と魯迅の銅像は今回の地震による被災を免れたという。
東北大は魯迅が留学生活を送った仙台医学専門学校(現東北大医学部)の流れをくむ。キャンパス内には、魯迅が実際に学んだ「階段教室」が当時のまま残されているほか、魯迅の銅像も設置されている。東北大学側によると、1998年に訪日した当時の江沢民国家主席も、同大学を訪れ、魯迅がよく座っていたいすに腰掛けて、魯迅に思いをはせたという。
魯迅の仙台留学100周年に当たる2004年、仙台市は記念行事を盛大に行い、留学時に魯迅が記した医学メモを展示した。また東北大は中国人留学生を対象とした「魯迅記念奨励賞」を設け、学業成績と生活態度がともに優れた学生4人を毎年表彰している。このほか、中日間の文化・教育交流に寄与した中国人に贈る「魯迅賞」も設けた。
仙台人は気前がよく、人情深い。仙台では魯迅を知らない人はおらず、魯迅は尊敬され、親しまれている。その証拠に、仙台市には「魯迅友の会」や「仙台における魯迅の記録を調べる会」など、魯迅にちなんだ中日友好組織がいくつもある。また魯迅の命日に当たる10月19日、仙台では毎年、魯迅記念碑の前で碑前祭を行い、魯迅をしのぶ。
「人民網日本語版」2011年3月17日