中国の「貧困人口」はどれくらいいるのか?もし、貧困人口が3千万人足らずから一気に1億人になれば、それは経済社会発展の「大きな後戻り」を意味するのだろうか?
「今年の年末には、今後10年間の貧困扶助開発綱要が発表される見通しで、貧困扶助基準が現在の1196元から1500元に引き上げられる」----一部海外メディアが、中国政府による貧困扶助基準引き上げ計画に注目している。香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト (South China Morning Post、南華早報)は「中国政府はメンツを捨ててでも、国民生活を重視する気だ。つまり、貧困人口が飛躍的に増えて対外的には面目が立たなくても、より多くの国民が発展の成果を享受できる方を選んだ」と評している。
かつて、「貧困を共和国の版図で縮小させる」という謳い文句が、流行りの信条かつ目標となった。中国の貧困人口は、1978年から2008年までの間に、2億5千万人から2千万人足らずまで減少し、経済社会の発展成果が明らかに示された。中国国際扶貧センターの研究報告によると、独自の貧困基準を採用する世界86カ国のうち、中国の貧困率は最低の4.2%で、86カ国平均の37.4%よりはるかに少ない。
しかし、社会的財産の激増、所得格差の拡大、続くインフレに直面し、「一日2100キロカロリーを摂取できる食生活を確保する」という貧困ラインは、明らかに妥当なものとは言えない。中国のGDPは、1985年から2009年までに、7780億元から33兆元まで、42倍激増したが、同時期の貧困ライン基準は5倍になっただけだ。貧困ライン基準を引き上げるべきという声は、ここ数年高まり続けてきた。「所得はどれだけ増加したか?」「住宅価格はどれくらい上がったか?」----。海外メディアは、ある政協委員が今年の「両会」で、「貧困基準を早急に引き上げるべきだ。さもないと、1億以上の国民が貧困から脱却することが不可能だ」と提案したことに注目している。