国連ミレニアム開発目標(MDGs)で定められた貧困の絶対的基準は、「一日1ドル以下で生活している」状態を示している。世界銀行による国際貧困基準は、「生活費が一日1.25ドル」つまり「年間3千元」だ。たとえその半分の1500元まで引き上げたとしても、中国貧困基準と国際貧困基準との差はまだ大きい。国際アナリストは、「中国の最低レベル生活の消費基準にもとづく計算では、貧困基準は2400元まで引き上げなければならない。これは一見大胆な提案に見えるが、世界第2の経済体である中国の貧困撲滅に至る道は、とてつもなく長い」とコメントしている。
EUの貧困率は10%以上、米国の貧困人口は2008年の金融危機後4360万人に増加した。中国の貧困基準は、「飢えないこと」だけにフォーカスされているが、先進諸国は医療や教育面にも配慮している。米国貧困人口の大部分は、マイホームもマイカーも所有している。国民生活の改善に本気で取り組むために中国がやるべきことは山積みだ。
貧困人口が増えることはすなわち、中国政府が国民生活を重視している現れといえよう。中国は、「十二五(第12次五カ年計画:2011-2015年)」期間中、低所得者の所得増を明確な目標として掲げている。今後数年の貧困人口の増減は、中国の「発展シーン」そのものを表現することになるだろう。
「人民網日本語版」2011年4月18日