「陰性エイズ」(エイズに似た症状が出るがHIV検査は陰性の奇病)に感染したと訴える患者60人を鍾南山氏が検査した結果、その80%が1種類または複数種の病原体に感染しており、そのうち3分の2以上がEBウイルスに感染していることが明らかになった。
衛生部のトウ海華報道官は10日「鍾氏の研究結果と衛生部の調査結果は基本的に一致しており、これらの人々はHIVには感染していない。国内外の権威ある機関の調査では、現在までに新たなウイルスまたは未知のウイルスは発見されていない」と述べた。
トウ報道官は「彼らの訴える疾病に感染性や集団性があることを示す証拠はなく、何らかの感染性疾患を患っていることを支持する臨床上、実験上、疫学上の証拠もない。調査の結果、彼らが伝統的意味における公共衛生問題にはならないし、他者の健康を脅かすこともないことは明らかだ。専門家は彼らの各々が様々な身体上の不調を抱えているらしいことについては否定したことはないし、できるだけ早く専門の医療機関で受診し、治療を受けるよう勧めてもいる」と述べた。
鍾氏の研究ではEBウイルスの検出率が55%に達したが、これは彼らの発症と関係があるのだろうか。EBウイルスを長年研究している権威ある専門家、曾毅氏は「EBウイルスは健康な人からも普通に検出されるウイルスで、3--5歳の児童の感染率は90%以上に達する。しかも生涯体内に存在するが、彼らの訴えるような症状は通常出ない」と説明する。
トウ報道官は「EBウイルスが彼らの発症の原因なのかどうかは、さらに研究が必要だ。ウイルス学、性感染症学、感染学、疫学の専門家を含め、この問題について一層の検証を行う必要がある」と強調した。
「人民網日本語版」2011年5月11日