記者は4月26日、東日本大震災に伴う津波で核の危機にさらされた、原発から20キロ離れた福島県南相馬市原町区の立ち入り禁止の境界線を訪れた。20キロ地点の道路には各地から集められた警察官が配置され、周辺住民は一家揃って圏外に退避し、この一帯は無人エリアと化している。
日本の文部科学省は12日、福島第一原発周辺の土壌から新たに複数の核種を検出したと発表した。福島大学が11日に発表した研究結果では、福島市の上空6000~8000メートル地点で放射線量が急激に上昇したことがわかっている。これらは、原発から漏れた放射性物質が今も拡散し続けていることを示す。
文部科学省は12日、福島第一原発周辺の土壌に含まれる放射性物質を調査したところ、ヨウ素とセシウムのほかにランタン140やテルル129mなど複数の核種を検出したと発表した。
ランタン140の半減期はわずか2日程度であるため、放射性物質は今も福島第一原発から漏れているということになる。
大気への拡散のほか、放射性物質は海にも流出し続けている。東京電力は11日、3号機取水口付近にあるコンクリート製立て坑に放射性物質を含む汚水が流れ、そこから海に流出していたことがわかったと発表した。
発表によると、東京電力が同日行った取水口付近の海水の調査で、法定濃度の3.2万倍に相当するセシウム134と2.2万倍に相当するセシウム137が検出された。
東京電力はコンクリートを流して立て坑をふさぎ、汚水の海への流出は11日夜に止まったという。
続く放射性物質の拡散の影響を受け、神奈川県政府は11日、同県の南足柄市で採れた茶葉から9日、規制値の1キロ当たり500ベクレルを上回る670~780ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。神奈川県の農産品から規制値を上回る放射性物質が検出されたのは初めてとなる。南足柄市の茶葉産地は、福島第一原発から約290キロ離れている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月13日