スペイン紙「エル・ムンド」は6月4日、「世界経済を抑制する愛情」と題した文章を掲載した。以下はその内容。
住宅がなければ、結婚できない人もいる。中国人が結婚相手を探す際に直面する困難は、世界経済に大きな影響を与えている。相手の気を引くため、彼らが消費を減らし、貯金しているためだ。
中国の伝統に基くと、男性は結婚する時、自分の住宅がなければならない。しかし現在、住宅を買うには大金が必要である。そのため、多くの人は消費を大幅に減らし、貯金を増やしている。世界で成長速度が最も速い市場で消費されなくなれば、世界経済は停滞する。
20歳の楊家和さんも、結婚のために本来可能であった快適な生活と贅沢品を諦めた中国の若者の1人だ。彼は北京の非常に大きな団地内に暮らしているが、部屋に入るには階段を上るのではなく、下りなければならない。着いたのは、窓もない地下室だ。この部屋は長期的な生活を考慮してデザインされたものではない。楊家和さんが100人余り(子供もいる)の人たちと生活するこの場所は、1つの防空施設である。
中国では、100万人以上の人が地下室や防空施設で生活している。楊家和さんが生活するこの地下室には、各部屋に通じる多くの通路がある。楊家和さんの部屋は狭く、簡易ベッドが1つ置かれているだけで、明かりは天井から下がる1つの電球のみだ。
トイレと台所は共用だ。しかし楊家和さんは、このような条件の場所で必ず生活しなければいけないというわけでもない。彼は、条件がもっとよく、健康にもよい家を借りる能力がある。「私が北京で今もっともやらなければいけないことは、仕事と貯金だ」と話す。家賃は彼が携帯電話を売って得た収入の10%に過ぎず、さらに多くの額を貯金できる。楊家和さんには2つの願いがある。1つは自分の家を買うこと、もう1つは素敵な結婚相手を見つけることだ。「自分の住宅がなければ、中国に私と結婚したいと思う素敵な女性はいない」と楊家和さん。