米経済誌「フォーブス」(アジア版)は先ごろ、アジア太平洋地域で多大な社会貢献をした人物を選出する第4回「慈善事業の英雄」を発表、48人が選ばれた。台湾地区花蓮県に住む退役軍人の洪中海さんが昨年、一生かけて蓄えた600万ニュー台湾ドルを寄付して貧困に苦しむ退役軍人を支援したことで、48人の一人に選ばれた。
台湾「中国時報」の報道によると、洪中海さんのルーツは安徽省霍邱県で、小さいころから他人を思いやる子供だったという。1983年に退役した後、花蓮吉安郷に20年以上居住している。
洪さんは普段は家で質素な生活を送り、毎日朝には饅頭と漬物、夜にはお粥と漬物で、毎月2万7千ニュー台湾ドルの年金を頼りに暮らしている。洪さんは昨年9月18日に長年かけて蓄えた600万ニュー台湾ドルを寄付した。取材に訪れたメディアは、彼の家のタオルがクモの巣のようにボロボロで、衣服も10年以上着ているものであることを発見した。
台湾当局は1987年に大陸部への親族訪問を解禁。洪さんも出身地に帰り、再婚した妻を発見した。洪さんは悲しんだがすぐに「これも時代の悲劇だ。人生で縁があって再会できたことだけでも天の恵みだ」と言って彼女を慰めたという。
大陸部への帰省から台湾地区に戻った洪さんは、多額の貯金があっても自分一人では使いきれないと考え、他の退役軍人に同情を感じるようになった。高齢になって結婚した退役軍人がまだ家庭生活を楽しまないうちに死亡し、妻や子供が残されるのを見て、彼らにできるかぎりの支援をしたいと考えた。
慰問に訪れた政府関係者に洪さんは朗らかに語った。「長生きして、もっと寄付をしたい。」
「人民網日本語版」2011年6月28日