中国の最高学府・北京大学(以下、北京大)の図書館内で現在、米IT大手アップルの直営店「アップルストア」が建設されている。これに対して多くの学生の間では図書館がバックマージンを得ようとしているのではないかと疑問視する声が上がっている。一方、同大学の図書館マルチメディアセンターの職員は同ストアの開設について、学習効率の向上に役立つデジタル新技術を学生たちに体験してもらうのが目的で、図書館とアップル社の間に商業利益関係は一切ないと釈明している。中国紙「京華時報」が報じた。
13日午後に北大の図書館陽光ホール3階に行ってみると、約40平方メートルのガラス張りの部屋が改修中で、壁には「良玉アップルキャンパスストア」との表示があり、すでにアップル社のパソコンが並べられていた。同大学の物理学院2年生の劉さんは「自習室ができるのかと思って期待していたのに、商業目的で使われるようで、図書館の雰囲気にはマッチしない」とがっかりしている様子だったが、キャンパス内で商業行為をするのは何も間違いではないと肯定的な学生もいた。
一方、図書館マルチメディアセンターのスタッフは取材に対し「同ストアの開設は学習効率の向上に役立つデジタル新技術を学生たちに体験してもらうのが目的。以前、他のIT関係の会社と協力して電子書籍体験ショップを開設したことがあるが、学生たちに好評だった。今回のアップルストアも商品の販売はせず、図書館との間に商業利益関係は一切ない」とした上で「学校側は学生たちの意見を尊重するので、もし反対意見が多いなら、撤退もあり得る」と説明した。
「人民網日本語版」2011年9月14日