2010年上海万博のフォローアップ監査報告が30日に発表された。運営収支差額は10億5000万元で、重大な法律・規律違反は見つからなかったとしている。
■入場券収入は73億元余り、収支差額は公益事業に
上海万博は184日間に7300万人余りが来場。準備期間は8年の長きに及んだ。人々は建設・運営費の額や収支残高の有無に関心を寄せている。上海市会計検査局は2005年3月から2011年3月まで、上海万博の運営財務収支状況と上海万博パーク主要建設状況の全過程に対してフォローアップ監査を行った。
上海万博事務調整局の提出した財務決算報告を監査した結果、2011年3月末時点で上海万博の運営収入は130億1400万元だった。入場券収入、経営権認可収入、施設貸出収入が好調だったため、予測を6億9600万元上回った。運営支出は110億6400万元。支出引き締めを強化したため、予測を7900万元下回った。以上に基づき計算すると、運営収支差額は10億5000万元となる。
上海万博執行委員会の承認を経て、運営資金残高は中国国家博物館、上海万博博物館、現代芸術館など公益性の高い文化展覧会や施設建設に充てられる。入場券収入は73億5500万元で、運営収入全体の56.52%を占めた。
■主要建設事業47件で投資額は17億3700万元増
上海万博パークの主要建設事業は47件で、総投資額は登録時の予測を17億3700万元上回る197億3700万元となった。報告はその主な原因として(1)一部出展国・企業がパビリオンを自己建設から賃貸に変更したため、賃貸パビリオンの増築が必要になった(2)建設過程で建設資材や人件費が高騰した――を挙げている。
主要建設事業47件の建設資金は全て計画通り配分された。このうち地方政府の拠出額は26億6000万元、中国パビリオンへの企業や社会からの賛助金・寄付金は28億6000万元、文化特別事業資金は12億元、万博債は55億元で、残りは事業資本金の注入や銀行融資によって解決した。
■重大な法律・規律違反は見つからず
報告は「上海万博は周到に準備され、良質かつ効率的な建設と、安定した秩序ある運営が行われ、良好な社会的効果を上げた。上海万博パークの主要建設において質や安全上の重大な事故は発生せず、重大な損失・浪費、重大な法律・規律違反も見つかっていない」としている。
上海万博の運営収支については「健全で整った制度、効果的な予算調整、規範化された収支手続き、厳格な管理・監督、全体的に良好な資金使用効益を基本的に達成した。監査の結果、重大な法律・規律違反は見つからなかった。中央紀律検査委員会はクリーンな万博に向けた上海市の取り組みを高く評価している」としている。
一方で報告は、フォローアップ監査の過程で予算編成、賛助品の管理、事業入札、受発注管理などにいくつか問題があったことも指摘。これらの改善状況について逐一紹介している。フォローアップ監査で見つかった問題は、現在までに全て整理・改善されたという。
「人民網日本語版」2011年10月1日