◆国家公務員試験の紹介
中国の公務員試験とは中央、国家機関公務員試験のことで、通常10月か11月ごろに行われる。同試験を通して、国家の各部門、委員会、署、総局など中央国家機関の職員が募集される。通常、全日制の大学新卒者・卒業生が応募の必須条件。いくつかのポストでは修士課程卒業や英語4級(英検2級ほどのレベル)、全国電子計算機能力試験2級(NCRE-2、中国政府公認のパソコン検定)を所持していることが要求されるなど、比較的厳しく高いハードルとなっている。
◆公務員のゆえん
公務員は一つの国が樹立されることで生まれる職業で、国家機関が存在するところには、必ず公務員制度も存在する。この点、中国は世界に先駆けて、西暦605年(隋大業元年)に完成された「公務員試験制度」である「科挙制度」を確立、その後、欧米諸国がそれを模範とし改良した制度確立を争ったことは注目に値する。一方、「公務員」という単語は日本から取り入れたもので、日本では古代「文官」と呼ばれていたのが、戦後に「国家公務員」と呼ばれるようになった。
◆公務員の定義
国外では、公務員という地位に対してさまざまな定義があり、範囲も一定ではないが、大まかに以下の3つのタイプに分けることができる。
1、まず、公務員とは中央政府の中で選挙や政府によって任命されたのではない事務官のみを指し、選挙や政府によって任命された内閣の成員や各部門の政務次官、政治秘書などの政務官を含まない、比較的範囲の狭い定義。この種の定義は国家公務員法規の適用範囲と一致しており、イギリスやイギリス連邦加盟国(オーストラリアやカナダなど)は基本的にこの部類に数えられる。イギリスでは公務員とは、内閣と進退をともにせず、公の試験の成績が優れている人が採用され、任期はなく、長期にわたって就くことのできる文民(非軍人)職を指す。
2、次に、政務官や事務官などを含む中央人民政府のすべての公職人員を公務員と呼ぶものの、国家公務員法規が適用される事務官に過ぎないという、中間的定義のタイプがある。アメリカが基本的にこの部類に数えられると言える。アメリカは公務員を「政府職員(Government employee)」と呼び、同単語は軍事に携わっている人員以外のすべての政府職員を指す、比較的広い意味で使われている。
3、最後に、公務員が中央・地方政府機関の公職人員、国会の議員以外のすべての職員、裁判官、検察官、国営企業、事業単位(国家が社会公益目的のため、国家機関により運営あるいはその他組織が国有資産を利用し運営するもので、教育、科学技術、文化、衛生などの活動に従事する社会サービス組織)の職員の総称と考えられ、「国家公務員」と「地方公務員」の違い、「特別職」と「一般職」の区別がある、範囲のかなり広い定義がある。このような定義において、「一般職公務員」とは政府のシステムの中で、選挙や政府によって任命されたのではない職員のことで、国家政府のシステムにおける事務官、つまり選挙や政府によって任命されたのではない政府職員で、国家公務員法規が適用される「一般職」の国家公務員。日本、フランスは基本的にこの部類に数えられる。フランスにおいて公務員とは中央機関やそれに所属する機関、地方行政機関、公共企業、事業単位において常任の官僚に任命された職員のことを指す。
以上の3つの定義のうち、中国は基本的に2番目のタイプに数えられると言える。
「人民網日本語版」2011年10月27日