上海警察当局は先ごろ、未成年の少女20人あまりが関わった大規模な売春事件を摘発し、社会から幅広い注目を集めた。事件に関わった少女は上海の某職業学校分校、普通高校など9校の生徒で、ほとんどが10代のほか、中には刑事責任が問われない14歳未満の少女もいたという。驚くべきは、まだあどけなさの残るこれら少女たちのほとんどが自発的に売春を行っており、その動機や取引方法は日本の「援助交際」とまるで同じだったことだ。
援助交際は日本の独特な社会現象で、少女は成人男性からの「援助」、つまりお金や服、アクセサリー、食べ物などを受け取り、成人男性も少女からの「援助」を受け取るというものだ。中国ではここ数年、経済の急速な発展と社会の富裕化に伴い、価値観および生活観が多元化しており、日本から来た「援助交際」の影響もますます強くなっている。
上海で摘発されたこの売春事件は典型的なケースだ。少女の動機はお小遣い欲しさ、化粧品などを買うためで、虚栄心を満たすことが目的だった。
この事件がメディアにより幅広く報道されると、瞬く間に世論を騒がせた。ある人は「これは学校教育と家庭教育の二重の失敗であり、少女たちは社会の悪い気風に染まったのだ」と分析した。確かに学校教育と家庭教育は重要だが、中国の教育はほとんどがお高く留まった「宣伝教育」が主であり、単に「これをしろ、あれをするな」と言うだけでは、心の交流に欠ける。反抗期真っ只中にある少女たちに対してこのようなやり方では効果が薄い。しかも、学校と家庭の教育は一部分でしかない。青少年に対する影響が最も大きいのは社会だ。「援助交際」は道徳問題であるだけでなく、深い根を持つ社会問題なのだ。