中国の全国2012年大学院受験出願者数は、前年比14万5千人増の165万6千人に達し、過去最高を記録した。このうち北京にある大学院への出願者は前年比約5800人増の26万9555人と、こちらも最高記録を更新した。全国修士課程大学院生入学試験は2012年1月7日から9日に開催される。
▽受験者新規増加数、3年連続で10万人超
中国教育部はこのほど、2012年大学院生募集受験関連業務の執行体制を整え、来年の大学院受験出願者数の最終確認を行った。大学院受験出願者数は、2010年から3年連続10万人以上の規模で増え続けている。ただし、2012年修士課程大学院生募集要綱は、まだ発表されていない。
▽最多は北京大学大学院受験者の2万1千人
修士課程受験者数が1万人を上回る大学院は6大学院以上、うち最も多いのは北京大学大学院で、前年とほぼ同数の2万1千人。以下は順次、北京師範大学、中国人民大学、清華大学の大学院で、出願者数は軒並み1万3千人以上。
▽人気の専攻分野は経済とコンピュータ
修士課程大学院の受験生に人気が高い専攻分野は、これまでと同じく経済管理、コンピュータ、MBAなど。北京航空航天大学(北航)大学院で、受験者が1千人を超えたのは、経済管理学院とコンピュータ学院で、コンピュータ、制御科学・工程、経営学が同大学院で最も人気のある専攻学科だった。また、北航の化学・環境学院と大型航空機専攻クラスの出願者は、前年比50%以上増加した。
清華大学の就職指導担当教員は、厳しい就職情勢が、大学院受験ブームが衰えない最大の原因であると指摘する。北京の大学卒業生数はほぼ変わらないが、修士卒と博士卒が大きな割合を占めるようになっており、学部卒業生は就職戦線においていっそう不利な立場に追いやられている。
また、一部の国有大型企業や大学などへの就職のハードルはますます高まっている。就職試験では、受験生の学歴だけではなく、名門校の卒業生という条件が設けられている場合もある。このため、大学院受験生の大軍に加わる学部生が増え続けている。
「人民網日本語版」2011年11月29日