瑠璃瓦、赤い柱、月型の門、丸い窓などを復元する瀋陽北陵映画館の復元工事が先ごろほぼ終了し、55年前に日本の戦犯の裁判が行われたころの外観がよみがえった。
北陵映画館は2階建ての建物で、黄金色の瑠璃瓦が2列に並び、4本の赤い柱に支えられており、梁や棟には彫刻や彩色が施されていた。大理石の手すりには六つの月があしらわれ、門の上にはクジャクが羽を広げた図案が描かれている。建物は当時の特別軍事法廷の外観を取り戻しており、現在は来年の春をめどに内部の改装工事が進められている。
1956年、最高人民法院が組織した特別軍事法廷が瀋陽で裁判を開始した。瀋陽市皇姑区黒竜江街77号には1000平方メートルあまりの古代建築様式の裁判所が建てられた。1956年6月9日から、特別軍事法廷は8人の将校級戦犯と28人の旧満州国の高級官僚に対する裁判を行い、計36人に判決を下した。
特別軍事法廷は1957年、北陵映画館に改築された。その後、映画館は2度にわたって移築された。しかし外観は50年前と比べてほとんど変わっておらず、中国の古典建築様式を保っていた。古式ゆかしい建物は黒竜江街の住宅や商店のなかで群を抜いていた。