多くの人にとって、日本は飛行機から見る富士山のように神秘的で憧れの存在である
ホテルの様子からも日本人の緻密さを感じ取れる
日本を理解したい人は、ルース・ベネディクトの「菊と刀」を必ず読むべきだ。第二次世界大戦中に書かれたため、歴史的制約のある内容となっているが、その分析方法は日本を知るうえで役に立つに違いない。
緻密から極致へ
緻密さが日本文化の特徴の一つに挙げられる。しかし、体験したことがなければ、イメージすることは難しい。秋も終わりに近づくと、街は銀杏の葉で彩られるが、その中から他の木の葉を見つけだすことはできない。なぜなら、東京の清掃員は意図的に銀杏の葉だけを残して清掃しているからだ。このような工夫がすべての街路を周りの景色と調和させている。
我々が宿泊するプリンスホテルは都市の中心に位置しているが、約2万平方メートルの日本庭園が静けさを保っている。庭園内の植物にも配慮がなされており、色の組み合わせが美しさを際立たせている。視覚障がい者のために、エレベーターのボタンには点字が打ってある。東京ではどの高層ビルにも点字がある。また、中国のホテルと違い、東京のエレベーターは階が表示されないようになっている。聞くところによると、客のプライバシーを保護するためだという。