日本にはクリスマス休暇がない。しかし、多くの日本人がクリスマスを楽しみにし、その人気は元旦をもしのぐほどである。この1年で最も重要な日を迎え、日本の小売り業者は様々な工夫を凝らし、消費者の獲得に力を入れている。
11月末ごろになると、日本のデパートなどはクリスマスムード一色になる。一年中客足が途絶えない三越では、クリスマスになると客がごった返す。11月下旬になると、三越は外にイルミネーションをほどこしたクリスマスツリーを立て、消費者を引き付ける。サンタクロースに出会えることもある。
三越だけでなく、六本木や新宿、渋谷などの観光名所では、クリスマスになるとクリスマスツリーとサンタクロースがお目見えする。多くの店では店員がサンタクロースの帽子をかぶって接客する。
日本人は夏と冬にボーナスを受け取る。ボーナスは大体月収の三か月分。今年の冬のボーナスは、1人あたり平均80万円だったという。毎年クリスマスになると、どの店も様々な工夫を凝らして、このボーナスの特需を獲得しようとする。
多くの店で見られる手段は、「ディスカウント」である。高島屋は今年、すべての商品を10%オフ、最大で20%オフにした。若者に人気のユニクロは、クリスマスにあたり、990円のセーターと1290円のコートを発売した。ジュエリーツツミは、指輪やネックレスを一律50%オフにした。そのほか、多くの店がクリスマス福袋を販売、いくつかの商品をセットにして販売した。福袋の価格は中に入っている商品価格の合計よりはるかに安い。
しかし、不況により、消費者は消費をためらう傾向にある。特に、東日本大震災後、人々は消費をしなくなった。日本百貨店協会によると、2011年の全国百貨店の売り上げは15年連続で減少、今年1-11月の販売額は前年同期比2.4%減の5兆4207億円だった。同協会は、歳末商戦後、販売額は6兆1600億円でやや上昇すると予測しているが、ピークだった1991年の9兆7130億円と比べると、36.5%も少なくなっている。
そのほか、2000年以前に8社あった大型デパートは現在合併などにより5社に減少。店舗数はわずか254社とピーク時に比べ20%減少した。また、今年に入って5店舗閉店している。高島屋の鈴木弘志総裁は、「近い将来、日本の小売市場規模は5兆円以下に縮小する」との見方を示した。縮小し続ける市場に対し、どのような戦略を打ち出すか。日本の小売業界はこの課題を克服しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年12月26日