お父さんに抱かれたマオマオちゃんはびっくりして大声で泣いた。
熱々の“湯円(白玉団子汁粉)”の中、マオマオちゃんはラッキーコインを発見。
思いがけないことに、この女の子と父親との年越しの物語が、世界で広く反響をよんでいる。香港の「豊子恺児童図画書賞(絵本の権威ある賞)」評価委員会や遠くは米国の「ニューヨークタイムズ」でも取り上げられた。ある人はこの物語は「現実を投影しており、純粋で感動的」と評価しており、「この村で生活しているキャンディーが大好きな女の子は今中国で注目されている“留守児童”集団を代表している。」という人もいる。
「中国には1億人以上が故郷を離れて他の地方で労働に従事しており、祭日にしか家族団らんができない。これが彼らの生活だ。」海の向こうでもこのように報道されている。
マオマオちゃんというこの4歳の架空人物は、「団円(一家団欒)」という児童絵本にでてくる。
絵本「団円」の文章を担当する作家の余麗瓊さんは、「マオマオは完全な架空の人物というわけではない」という。彼女は自分の膨大な記憶を短い物語の中に溶け込ませている。余麗瓊の父親は建築士で、長い間、全国各地を転々として仕事をしており、旧正月の頃にだけ妻や娘と一緒に過ごせたという。
だから、余麗瓊さんの幼児期の記憶の中で「団円(一家団欒)」は旧正月に欠かせない家族の一場面だった。「一家が全員集まって、年越しといえるのです」といっている。