「日本のオスカー」とも呼ばれ日本映画界で最も名誉のある「第35回日本アカデミー賞」の各優秀賞が15日、都内で発表された。原田芳雄さんの遺作として注目を集めた「大鹿村騒動記」も優秀作品賞を受賞した。同賞授賞式と最優秀賞の発表は3月2日に行われる。
優秀作品賞にノミネートされたのは、『大鹿村騒動記』、『最後の忠臣蔵』、『ステキな金縛り』、『探偵はBARにいる』、『八日目の蝉』。そのうち、母と子の愛情を描いた『八日目の蝉』は、主演女優賞、助演女優賞、監督賞、新人俳優賞など最多となる11部門を受賞した。そのほか、『最後の忠臣蔵』も11部門でノミネート、『大鹿村騒動記』も8部門でノミネートされた。
『大鹿村騒動記』は、長野県・大鹿村に伝わる村歌舞伎をテーマにした作品。同作品は自主映画だったが、放映開始から3日後に主演の原田芳雄さんが突然亡くなったことで、「遺作」として注目を浴びていた。同作品は優秀作品賞を受賞したほか、監督賞、主演男優賞、助演男優賞などにもノミネートされた。
そのほか、2010年末に放映された『最後の忠臣蔵』も優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など11部門でノミネート。最優秀賞レースがにわかにヒートアップしてきた。
優秀アニメーション賞にノミネートされた『名探偵コナン 沈黙の15分』にアニメファンの注目が集まっている。『コナン』はアカデミー賞の常連で、毎年優秀賞にノミネートされている。しかし、今年はアニメ界の巨匠、宮崎駿氏の作品がノミネートされており、『コナン』が最優秀賞に輝く確率はゼロに近い。ただ、今年のジブリ作品『コクリコ坂から』は、監督は息子である吾郎氏が担当。宮崎駿氏が企画、脚本を担当したものの、チケットの売れ行きは世間の期待ほどではなかった。今年、『コナン』がジブリから最優秀賞を奪えるかに注目である。